4月から5月にかけて全国で見れる鯉のぼり。
地上から見るのも綺麗ですが、上空からドローンで撮影することで、風に揺られて気持ちよく泳ぐ鯉のぼりを撮影できます。
これまで何度か鯉のぼりを撮影した経験から、撮影におすすめの天候や撮り方、注意点を紹介。最後に愛媛県と高知県のおすすめ鯉のぼりスポットも映像付きで紹介しています。
鯉のぼりの撮り方&条件
鯉のぼりの撮影は、条件次第で撮れる映像は全然違います。
気持ちよく泳いでいる鯉のぼりを撮るには、しっかり天気を確認したうえで現地へ行き、実際の撮影では繊細な操作をする必要があります。
鯉のぼりを撮影するときは以下のことを頭に入れて撮ってみましょう。
- 晴れの日&風が吹いてる日
- 鯉のぼりを吊るした直後がおすすめ
- さまざまな角度・距離から撮る
- フレームレートは60fpsや120fps
- 接近した絵は低速でゆっくり
晴れの日&風が吹いてる日
ドローン空撮では基本的に晴れの日を狙うのが一般的で、鯉のぼりの撮影も晴れた日に撮影したほうが映えます。
太陽の光が鯉のぼりに当たることで、単純に鯉のぼりが色鮮やかになるからです。また、鯉のぼりは川の上にあることが多く、晴れていると鯉のぼりの下を流れる川も綺麗で、結果的に映像全体のクオリティーが高くなります。
もうひとつ鯉のぼりの撮影で肝心なのが、風が吹いている日に撮影することです。
正直、風が吹いていない日に撮影してもまったく魅力はありません。ただ動きのない干された鯉のぼりしか撮れず、これを撮影しても仕方ないです。微風でもいいので、必ず風が吹いている日に撮るのが大事。
あまりに強風だと逆にダメですが…
鯉のぼりを吊るした直後がおすすめ
鯉のぼりの見頃は5月初旬ですが、多くの場所では4月から鯉のぼりを吊るし始めており、1ヶ月ほど鯉のぼりが見れる期間があります。
鯉のぼりの撮影でおすすめなのが鯉のぼりを吊るした直後です。
理由は、長い期間吊るされていると、風が強い日などに鯉のぼりがロープに絡まり、本来の鯉のぼりの姿が見れなくなるからです。期間が長いほどそのリスクがあり、5月に入った頃にはいくつかの鯉のぼりが絡まっていて魅力が半減します。
鯉のぼりを吊るした直後なら、ほとんどの鯉のぼりは正常な形で吊るされているため、本来の鯉のぼりの姿を撮影できるのです。
時期は少し早くなりますが、吊るされた当日や翌日に撮影することをおすすめします!
さまざまな角度・距離から撮る
鯉のぼりを撮影するときもさまざまな角度や距離から撮ることを心掛けます。
ドローンなら鯉のぼりのまわり360度を自由に移動可能。撮る方向によって同じ鯉のぼりでも全然違った絵になります。斜め上から、真上から、横から、下から、後ろから、正面から。さまざまな角度から複数カット撮ることで編集するうえでも助かります。
距離を意識する
撮り方としては、被写体との距離を意識するといいです。
鯉のぼりの全景を撮るのは当然ですが、可能なら接近した絵もほしいです。ドローンは基本24mmの広角なので、距離を保って撮影すると迫力ある絵は撮れない。
迫力ある映像を撮るなら、被写体の1〜3mまで近づくことで、鯉のぼりが画面いっぱいに写り、色も鮮やに写ります。
接近すればするだけ接触するリスクは増えるので、不安ならプロペラガードを装着して撮影しましょう!
真下から撮る
もうひとつおすすめな撮り方が真下から撮ることです。
チルトを上限まで上げて、見上げるように撮影することでドローンならではの映像が撮れます。また、見上げると鯉のぼりの背景が青空の単色になるため、鯉のぼりをより目立たせられます。
目立つ一匹に焦点を当てる
数ある鯉のぼりのなかで目立つ一匹を見つけて撮影しましょう。
通常、鯉のぼりをドローンで撮影するときは全体や複数の鯉のぼりを写します。カメラは広角なので、どうやっても複数の鯉のぼりが入ってしまうのですが、目立つ一匹だけを意識して撮影するだけで、全体をただ撮っただけのありふれた映像ではないものが撮れます。
フレームレートは60fpsや120fps
鯉のぼりはユラユラ揺れている「動く被写体」です。
24fpsや30fpsで撮るのもいいですが、気持ちよく泳いでいる滑らかさを表現したいならフレームレートを上げて撮ったほうがいいです。
60fpsで撮影することを推奨しますし、表現方法として一部を120fpsのスローで撮影することで、ほかでは見れない映像を撮れますよ。
接近したときは低速でゆっくり
鯉のぼりに限りませんが、被写体に接近すればするだけ低速でゆっくり飛ばします。
近い距離で速い動きをすると、被写体がブレてしまい綺麗に写りません。
鯉のぼりに接近するときは、Cモードやクルーズ制御機能などを使って最高速度10km以下に設定し、被写体がブレないようにゆっくり撮るのがおすすめ。
逆に鯉のぼり(被写体)から離れれば離れるだけ、絵に動きを出すため速度を速くします。
被写体に近い=低速、被写体から遠い=高速が基本!
鯉のぼり撮影の注意点
さまざまな鯉のぼりを実際に撮影した経験から撮影時の注意点を書きます。
- まわりの電線やワイヤーを要確認
- 風の吹き具合を常時確認する
- 近寄りすぎによる
まわりの電線やワイヤーを要確認
鯉のぼりを吊るしているワイヤーは認識できているため危険は少ないです。
ただ、鯉のぼりを吊るしているワイヤーのほかに、まわりに何も吊るしていないワイヤーや電線があることがあり、これは事前に把握しておく必要があります。
鯉のぼりのような特定の被写体がある撮影時には、その被写体に意識が集中してしまい、周囲の状況把握に意識がいきづらくなります。障害物センサーは電線などを検知できないことが多いので、まわりを確認せず飛ばすと接触する可能性が極めて高いです。
実際にワイヤーや電線に引っ掛けた事例はたくさんあります。川の上だと回収できないこともあるのでくれぐれも引っ掛けないように!
風の吹き具合を常時確認する
鯉のぼりは川や渓谷に吊るされていることも多く、風の吹き具合は短時間で変わります。
接近して撮影しているときは、風の吹き具合によって鯉のぼりと接触する可能性があります。例えば微風で接近していたところ、急に突風が吹いて尻尾が舞い上がりプロペラに接触する、そんな状況が考えられます。
常に風の吹き具合を確認すると同時に、安易に尻尾の付近に近づくのはやめたほうがいいです。近づくならなるべく鯉のぼりの頭や胴体付近にしましょう。
近寄りすぎによる弊害
鯉のぼりに近づいて撮影するときは、前述したように接触する危険があります。
まずは尻尾に近づきすぎないことが大事ですし、近づく際にはできればプロペラガードを装着することをおすすめします。
風が少し強いなかで被写体に接近して低速で撮影すると、機体自体がユラユラ左右に揺れ、それが映像に反映されます。そうなるとせっかく接近して撮った素敵な映像が台無しになる恐れがあるため、その辺も確認しながら撮りましょう。
ピントをしっかり合わせる
近づき過ぎると被写体にピントが合っておらず、背景にピントが合った状態でずっと撮影してしまうことがあります。
ほとんどの人はオートフォーカスで撮影していると思いますので、外で画面は見づらいですが、接近しての撮影では、被写体にピントがきているか確認してから飛ばしましょう。
ただ単に近づけばいいという話でもないですね!
愛媛・高知の鯉のぼり撮影スポット
全国各地で実施されている鯉のぼり。
場所によって規模も吊るし方も異なります。
ここでは愛媛県と高知県のおすすめ鯉のぼりスポットをひとつずつ紹介。
こいのぼりの川渡し(四万十町)
所在地 | 高知県高岡郡四万十町十川 |
開催期間 | 4月中旬から5月中旬 |
規模 | 約500匹 川幅260メートル |
アクセス | 予土線十川駅から徒歩5分 高知自動車道須崎東ICより車で90分 |
飛行許可 | ◎飛行可能 0880-28-5111 (四万十町役場十和地域振興局) |
鯉のぼりの川渡し発祥の地と言われているのが、高知県四万十町の四万十川にかかる「こいのぼりの川渡し」です。
四万十川の両側にある山と山を結んだ全長約500mあるワイヤーに、500匹ほどの鯉のぼりが吊るされています。ドローンを飛ばせるのは基本的に川と駐車場(こいのぼり公園)の上空のみですが、ずらりと並んで泳ぐ素晴らしい鯉のぼりを撮れます。
4月や5月は四万十川や沈下橋を撮るついでにここも訪れてみましょう!
落出鯉のぼり渡し(久万高原町)
所在地 | 愛媛県上浮穴郡久万高原町柳井川 |
開催期間 | 4月中旬から5月中旬 |
規模 | 48匹 全長約83m |
アクセス | 久万高原町役場より車で約25分 松山中心部から車で約1時間 |
飛行許可 | ◎飛行可能 |
2022年4月から始まった新しい鯉のぼりスポット。
渓谷を流れる仁淀川の上空に吊るされ、規模はそこまで大きくないものの、鯉のぼり一匹一匹が大きいのでドローンで撮影してもわりと見応えあります。
風が吹いていないとただ干されているだけですので、風のある日を狙って行きましょう。
期間中に愛媛県(久万高原町)側から四国カルストへ向かう途中に少し足を伸ばして寄ってみましょう!
まとめ
鯉のぼりをドローンで空撮する方法や注意点を解説しました。
晴れた日で風の吹く日を狙い、鯉のぼり全体はもちろん、接近した映像を撮ることでより見応えのある素敵な映像が撮れます。
高知県には川渡し発祥地で規模の大きな鯉のぼりが。愛媛県にも水の綺麗な仁淀川の渓谷にかかる鯉のぼりがあります。
どちらも自由に撮影可能ですし、付近には四国カルストや四万十川など空撮映えするスポットもたくさんありますので、ぜひ4月中旬から5月中旬を狙って愛媛と高知へ遊びに来てはいかがでしょうか?