DJI社から2023年7月25日に発売された「DJI Air 3」の性能スペック紹介です。
上位機種「Mavic 3」と下位機種「Mini 3 Pro」に搭載されている魅力的な機能を両方いいとこ取りした機体に仕上がっています。
値段も予想より安く、これからドローンを始める人には最適な1台です。
DJI Air 3はこんな人におすすめ
✅ 初めてドローンで映像・写真を撮る人
✅ SNSへの投稿が主な目的の人
✅ サブ機として持っておきたい業者
✅ 業務でなく趣味でドローンを飛ばす人
DJI Air 3はセンサーサイズが小さいため、基本的に業務で使用する人にはおすすめできず、あくまで趣味で飛ばす人向けの機体になっています。ただし、業務であってもサブ機として使用したい方には1台持っておいて損はしません。
◼️価格
DJI Air 3(RC-N2):129,800円
Fly More コンボ(RC-N2):165,000円
Fly More コンボ(RC 2):187,000円
機体性能・カメラ性能にしてはお手頃価格でコストパフォーマンスが高い!
DJI Air 3の性能スペック
発売機 | DJI Air 3 |
発売日 | 2023年7月25日 |
値段 | DJI Air 3(RC-N2) 129,800円 Fly More コンボ(RC-N2) 165,000円 Fly More コンボ(RC 2) 187,000円 |
寸法 | 207×100.5×91.1mm 258.8x326x105.8mm(畳) |
重量 | 720g |
飛行時間 | 46分 |
最大飛行高度 | 6000m |
速度 | 75.6km(水平) 36km(降下) 36km(上昇) |
耐風 | 12m/s |
ストレージ | 8GB |
動作環境温度 | -10℃~40℃ |
全球測位衛星システム (GNSS) | GPS + Galileo + BeiDou |
障害物センサー | 全方位 |
伝送 | O4(日本10km) |
ライブ映像 | 1080p/60fps |
センサー | 広角:1/1.3型CMOS 中望遠:1/1.3型CMOS |
絞り | 広角:F1.7 中望遠:F2.8 |
焦点距離 | 広角:24mm 中望遠:70mm |
ISO | 動画 100〜6400(ノーマル) 100〜1600(D-Log M) 100〜1600(HLG) 100〜12800(ナイトモード) 写真 100〜6400 |
画素数 | 48MP |
動画フォーマット 動画コーデック | MP4 H.264/H.265 |
動画ビットレート | 150Mbps |
シャッター速度 | 12MP静止画:1/16000-2 s 48MP静止画:1/8000-2 s |
静止画ファイル | JPEG/DNG(RAW) |
動画解像度 | 4K100fps FHD200fps 2.7K縦型1512×2688(60fps) FHD縦型1080×1920(60fps) |
バッテリー | 4241mAh |
カラーモード | ノーマル/10-bit HLG/10-bit D-Log M |
デジタルズーム | 広角:1〜3倍 中望遠:3〜9倍 |
自動 | スポットライト2.0 アクティブトラック5.0 ポイントオブインタレスト3.0 ウェイポイント |
備考 | 2台のカメラで2.7Kの垂直撮影 |
センサーサイズはより小さく、2眼で縦型撮影に対応
DJI Air 3は、前機種よりもセンサーサイズを小さくする代わりに、カメラを2つ(広角と中望遠)搭載し、縦型撮影(2.7K)に対応してきました。
- DJI Air 3:1/1.3型CMOS、カメラ2つ、縦型撮影対応
- DJI Air 2S:1型CMOS、カメラ1つ、縦型撮影非対応
DJI Air 3の大きな欠点はセンサーサイズが1型より小さいことです。センサーサイズは画質に関わる部分ですから、せめて1型以上にしてもらいたかった…。
センサーサイズが小さいと業務使用には向いておらず趣味用途です!
しかし、DJI Air 3ではセンサーサイズを落とす代わりにカメラを2眼にしています。
通常の広角(24mm)と中望遠(70mm)が新たに搭載。
ひとつのドローンで2つの画角で撮影できるのは大きな利点です。
基本的にドローンの映像は広角なため、迫力ある映像を撮るのが難しい。そこで中望遠は70mmという狭い画角で撮れることで、これまでとは違う表現ができます。
DJI Air 3の紹介動画にも画角の違いが紹介されています↓
また、DJI Air 3は2.7K(1512×2688)の縦型撮影にも対応してきました。
これまでDJI Mini 3 Proで縦型撮影できましたが、2.7Kというより解像度の高い映像や写真を撮れます。縦型撮影のいい点は、あらかじめ構図を決めて撮影できることで、あとでクロップする手間が省けます。
48MPの高画素、4K100fps、10-bitのD-Log対応
センサーサイズは1/1.3型と小さいものの、クオリティーの高い映像が撮れます。
DJI Air 3は48MP(メガピクセル)という高画素で撮影可能です。上位機種であるDJI Mavic 3の画素数は20MPですから、ここは差別化してきました。静止画撮影などで高画素機を求めている方には嬉しいアップグレードです。
動画の解像度は最大4K100fpsに対応。前機種は5.4Kでしたので、解像度こそはグレードダウンしました。ただ、解像度は4Kあれば充分ですし、そもそも4Kに対応したモニターは普及していないので、4K以上で撮っても多くの人にとっては意味ありません。
フレームレートは100fpsになっているため、映像をスローモーションにできるメリットがあります。滝や川など、常に高速で動いている被写体を撮影する際におもしろい表現ができます。
- Log撮影対応なのでカラコレ・カラグレもできる!
- DJI Air 3は10bitのLog撮影やHLG撮影に対応しているため、撮影した素材をカラーコレクションやカラーグレーディングして自由に色編集できます。自分の好みの色を出したい方や、色をいじってみたい方におすすめの機体です。
飛行時間は46分と向上
DJI Air 3の飛行時間は46分と、前機種の31分から大幅に伸びました。
飛行時間が長いとさまざまなメリットが。
- 一度にたくさん撮影できる
- 安全性が高まる
- 遠くまで飛ばせる
- 所有するバッテリーの本数を減らせる
バッテリー1本あれば動画も写真もたくさん撮れます。
いちいち帰還させる手間がなくなり、1本で撮影を完結させれるのは嬉しいですね。現地へ持っていくバッテリーの本数も減らせて荷物も軽くなります。
46分もあればより遠くへ飛ばせますし、帰還時に向かい風だったとしても、バッテリー切れで未帰還になるリスクを減らせます。
バッテリーは3本同時充電が可能!これまでのように1本ずつの充電ではなくなるため、充電時間の大幅短縮が実現しています。
障害物センサーは全方向に対応
DJI Air 3では全方向に障害物センサーが搭載されています。
前機種では左右と上方には付いていませんでした。
左右に付いていないのは致命的で、横移動したりノーズインサークルする際に、まったく障害物を検知してくれないのは危険です。今回、左右に搭載されたことで、ある程度の大きさの障害物は検知してくれるため、より安全性が向上しています。
細い枝や電線は検知しないときがあるので要注意!
新しいプロポ(送信機)に進化【比較】
DJI RC Pro | DJI RC 2 (新登場) | DJI RC | DJI RC N-2 (新登場) | DJI RC N-1 | |
---|---|---|---|---|---|
伝送システム | O3+ | O4 | O3+ | O4 | O3+ |
伝送距離 | 8km | 10km | 8km | 10km | 8km |
解像度 | 1920×1080 | 1920×1080 | 1920×1080 | ー | ー |
サイズ | 5.5インチ | 5.5インチ | 5.5インチ | ー | ー |
フレームレート | 60fps | 60fps | 60fps | ー | ー |
明るさ | 1000ニト | 700ニト | 700ニト | ー | ー |
タッチ操作 | 10ポイント マルチタッチ | 10ポイント マルチタッチ | 10ポイント マルチタッチ | ー | ー |
内部ストレージ | 32GB | 32GB | ー | ー | ー |
充電時間 | 1.5時間 | 1.5時間 | 1.5時間 | 2.5時間 | 2.5時間 |
動作時間 | 3時間 | 3時間 | 4時間 | 3.5時間 | 4時間 |
出力ポート | Mini-HDMI | ー | ー | ー | ー |
動作環境温度 | -10℃~40℃ | -10℃~40℃ | -10℃~40℃ | -10℃~40℃ | 0℃~40℃ |
GNSS | GPS + Galileo + GLONASS | GPS + Galileo + BeiDou | GPS + Galileo + BeiDou | ー | ー |
サイズ | 183.27×137.41×47.6mm (折畳) 183.27×203.35×59.84 mm (展開) | 168.4×132.5×46.2mm (折畳) 168.4×132.5×62.7mm (展開) | 168.4×123.7×46.2mm (折畳) 168.4×123.7×62.7mm (展開) | 180×86×10 mm (対応モバイルサイズ) | 180×86×10 mm (対応モバイルサイズ) |
重量 | 680g | ー | 390g | 375g | ー |
DJI Air 3では現状以下2つのプロポ(送信機)に対応しています。
- DJI RC 2(モニター搭載、内蔵ストレージ32G搭載)
- DJI N-2(モニター非搭載、スマホ画面で操作)
2つの大きな違いはモニターが搭載されているかどうか。
モニターが搭載されていることによるメリットは、スマホを装着する手間が省けること、電話が掛かってきた際などに撮影が中断されないことが挙げられます。
DJI RCシリーズに関して、前モデルと大きく異なるのが内部ストレージ(32GB)が搭載されたことです。もちろんこれまで通りSDカードを挿すことで容量は増やせます。
値段は少し高くなりますが、モニター搭載のDJI RC 2がおすすめ!
プロポ(送信機)は従来のものから進化し、日本での伝送は10kmに伸びています。O4になってより安定した通信が可能になります。
ただし、普段撮影している感じでは2018年頃に登場したO2(OcuSync2.0)あたりから伝送の進化は感じられません。障害物の裏側へ行ったり、2〜3km飛ばすと電波は途切れやすくなります。
DJI Air 3とDJI Air 2Sの比較
DJI Air 3 | DJI Air 2S | |
---|---|---|
値段 | DJI Air 3(RC-N2) 129,800円 Fly More コンボ(RC-N2) 165,000円 Fly More コンボ(RC 2) 187,000円 | 単品(RC-N1) 119,900円 Fly More コンボ 165,000円 |
寸法 | 207×100.5×91.1mm 258.8x326x105.8mm(畳) | 183×253×77mm 180×97×77mm(畳) |
重量 | 720g | 595g |
飛行時間 | 46分 | 31分 |
最大飛行高度 | 6000m | 5000m |
速度 | 75.6km(水平) 36km(降下) 36km(上昇) | 68.4km(水平) 21.6km(降下) 21.6km(上昇) |
耐風 | 12m/s | 10.7m/s |
ストレージ | 8GB | 8GB |
動作環境温度 | -10℃~40℃ | 0℃~40℃ |
全球測位衛星システム (GNSS) | GPS + Galileo + BeiDou | GPS + GLONASS + GALILEO |
障害物センサー | 全方位 | 前後・下方 |
伝送 | O4(日本10km) | O4(日本8km) |
ライブ映像 | 1080p/60fps | 1080p/30fps |
センサーサイズ | 広角:1/1.3型CMOS 中望遠:1/1.3型CMOS | 1型CMOS |
絞り | 広角:F1.7(固定) 中望遠:F2.8(固定) | F2.8(固定) |
焦点距離 | 広角:24mm 中望遠:70mm | 22mm |
ISO | 動画 100〜6400(ノーマル) 100〜1600(D-Log M) 100〜1600(HLG) 100〜12800(ナイトモード) 写真 100〜6400 | 動画 100-3200(オート) 100-6400(マニュアル) 10ビット Dlog-M動画: 100-800(オート) 100-1600(マニュアル) 写真 100-3200(オート) 100-12800(マニュアル) |
画素数 | 48MP | 20MP |
動画フォーマット 動画コーデック | MP4 H.264/H.265 | MP4/MOV H.264/H.265 |
動画ビットレート | 150Mbps | 150Mbps |
シャッター速度 | 12MP静止画:1/16000-2 s 48MP静止画:1/8000-2 s | ー |
静止画ファイル | JPEG/DNG(RAW) | JPEG/DNG(RAW) |
動画解像度 | 4K100fps FHD200fps 2.7K縦型1512×2688(60fps) FHD縦型1080×1920(60fps) | 5.4K30fps 4K60fps 2.7K60fps FHD120fps |
バッテリー | 4241mAh | 3750mAh |
カラーモード | ノーマル/10-bit HLG/10-bit D-Log M | ノーマル/10-bit D-log M |
デジタルズーム | 広角:1〜3倍 中望遠:3〜9倍 | 4K/30fps:4倍 2.7K/60fps:4倍 2.7K/30fps:6倍 1080p/60fps:6倍 1080p/30fps:8倍 |
DJI Air 3が販売されていますが、実は前機種のDJI Air 2Sもまだ販売中です。
「DJI Air 3はセンサーサイズが小さくなったし…どっちを買ったらいいの?」
と疑問を持っている方もいるかもしれません。
結論から言うとDJI Air 3を購入しましょう。
理由は以下のとおりです。
- 機体性能の大幅向上
- カメラ機能の向上
- 値段がほとんど変わらない
DJI Air 3の欠点でありダウングレードしたのはセンサーサイズだけです。センサーサイズは画質に大きく関わりますが、1型と1/1.3型は誤差の範囲内とも言えます。正直なところ画質に大きな差はありませんので気にすることでもないです。
粗探しレベルです…!
それよりも前機種「DJI Air 2S」と比べると、機体性能やカメラ機能が向上しています。
上昇・下降の速度、障害物センサー、飛行時間、耐風性能、縦型撮影、中望遠
とくに障害物センサーが全方向対応したのは大きく、安全性が格段にUPしています。これだけでもDJI Air 3を選ぶ価値あります。
撮影でも中望遠70mmの画角の絵が撮れるのは大きく、使う場所や使い方によってはおもしろい絵が撮れるのです。そして滝などではスローモーションも使え、SNS用に縦型撮影できるのも素晴らしい。
Air 3と比較対象になるMavic 3とMini 3
DJI Mavic 3 | DJI Air 3 | DJI Mini 3 Pro | |
---|---|---|---|
対象 | 業務 | 趣味 (業務でのサブ機) | 趣味 |
映像の品質 | 高い | 普通 | 低い |
安全性 | 高い | 高い | 普通 |
飛行時間 | 43分 | 46分 | 34分(通常) |
Log撮影 | 対応 | 対応 | 非対応 |
絞り | 可変 | 固定 | 固定 |
望遠 | 70mm・166mm | 70mm | なし |
縦型撮影 | 非対応 | 対応 | 対応 |
値段 | 【Classic】 単体 179,300円 RC-N1コンボ 189,200円 RCコンボ 209,000円 | 単体 129,800円 RC-N2コンボ 165,000円 RC 2コンボ 187,000円 | 単体 92,400円 RC-N1 106,700円 DJI RC 119,900円 Fly Moreキット Plus 29,480円 |
DJI Air 3の比較対象となるのが「DJI Mavic 3 Classic」と「DJI Mini 3 Pro」です。
本機種は、性能的にも値段的にもこの2機種のちょうど中間に位置します。
Airシリーズは、主に趣味で高品質な映像や写真を撮りたい方におすすめの機体です。業務の現場でも通用するため、業者がサブ機として持っておきたい1台でもあります。
業務での使用ならDJI Mavic 3 Classic
業務での使用がメインならDJI Mavic 3 Classicがおすすめです。
- センサーサイズが大きい
- 絞り(F2.8-F11)の調整が可能
- Air 3の中望遠を使う機会はあまりない
ドローンは空飛ぶカメラですから、業務ではなによりカメラ性能が重要です。
画質に大きく関わるセンサーサイズは、DJI Mavic 3 Classicは4/3型CMOS(フォーサーズ)と、DJI Air 3と比べると大きく、明らかに画質の違いがあります。
また、絞り調整が可能かどうかも重要です。ドローンの絞りは絵にそこまで影響しませんが、明るさ調整という意味で絞れたほうがはるかに便利です。
趣味で映像にこだわるならDJI Air 3
趣味での撮影で映像のクオリティーにこだわるならDJI Air 3がおすすめです。
- 10-bitのLog/HLG撮影ができる
- 中望遠(70mm)も使える
- 飛行時間が46分と長い
- 機体性能・安全性が高い
Mini 3 Proと比べると値段は数万円高くなりますが、色編集できるように10bitのLog撮影できるのは大きな利点です。カラーコレクションやカラーグレーディングをしたい人はこちらの機体がおすすめ。
ほかにも70mmという狭い画角で撮影できたり、SNS用に縦型撮影できるのも素晴らしい。
耐風性能も向上しており、強風のなか飛ばしても問題ない場合が多いです。飛行時間も46分と大幅に伸びているため、1フライトでたくさんのカットを撮れますよ。
Air 3とMini 3 Proを選ぶ主な基準はLogが必要かどうか。
そこそこのクオリティー&費用を抑えるならMini 3 Pro
購入金額を抑えつつも、ある程度のクオリティーの映像を撮りたい方はMini 3 Proがおすすめです。
Mini 3 Proのセンサーは1型より少し小さいものの、とても綺麗な映像が撮れます。
4Kの60fpsにも対応し、SNS用に縦型撮影も可能。Log撮影に対応していないのが欠点ですが、D-Cinelikeには対応しているため、多少の色編集はできます。
お金がない!普通に綺麗な映像を撮りたい人はMini 3 Proで充分!
まとめ
2023年7月25日に発売されたDJI Air 3の性能スペックを紹介しました。
2眼カメラを搭載し、飛行性能と安全性が大幅に向上しており、主に初心者から中級者におすすめの機体に仕上がっています。