DJI社のフラグシップ機「DJI Mavic 3」は、小型ながらフォーサーズセンサーのカメラを積んでおり、まるでミラーレス一眼で撮ったかのような綺麗な映像(写真)を撮れます。
業務でもっとも使用されている機体で、プロからの信頼度・満足度の高いです。
ドローンで空撮する人すべてにおすすめする機体で、金銭的に少し無理をしてでも購入する価値あります!
この記事では、DJI Mavic 3の性能や複数ある機種の比較、さまざまな環境で使用したレビューを書いています。
DJI Mavic 3はどんな人におすすめ?
DJI Mavic 3は真面目にドローン空撮するすべての人におすすめです。
✅ 個人(趣味)で綺麗な空撮や写真を撮影したい人
(Mavic 3 Pro/Mavic 3 Classic)
✅ 業務でドローン空撮をする業者
(Mavic 3 Pro/Mavic 3 Classic)
✅ 映画やCM、PVなどを撮影する業者
(Mavic 3 Pro Cine)
業務でもっとも出番の多いドローンで、映像のクオリティーはとても高く、1台持っておくだけで非常に綺麗な映像や写真を撮れます。
個人でも綺麗な映像や写真を撮りたいなら絶対に持っておくべき1台です!
DJI Mavic 3シリーズの性能
Mavic 3 Pro Cine | Mavic 3 Pro | Mavic 3 Classic | |
値段 | ・DJI RC Pro 563,420円 | ・単体 261,800円 ・DJI RC 351,800円 ・DJI RC Pro 471,800円 | ・単体 179,300円 ・RC-N1 189,200円 ・DJI RC 209,000円 |
カメラ個数 | 3個 | 3個 | 1個 |
センサー | 通常(4/3型CMOS) 中望遠(1/1.3インチ) 望遠(1/2インチ) | 通常(4/3型CMOS) 中望遠(1/1.3インチ) 望遠(1/2インチ) | 通常(4/3型CMOS) |
焦点距離 画素数 | 通常(24mm/20MP) 中望遠(70mm/48MP) 望遠(166mm/12MP) | 通常(24mm/20MP) 中望遠(70mm/48MP) 望遠(166mm/12MP) | 通常(24mm/20MP) |
絞り | 通常(f/2.8〜f/11) 中望遠(f/2.8) 望遠(f/3.4) | 通常(f/2.8〜f/11) 中望遠(f/2.8) 望遠(f/3.4) | 通常(f/2.8〜f/11) |
動画フォーマット | Apple ProRes 422 HQ Apple ProRes 422 Apple ProRes 422 LT MP4/MOV (H.264/H.265) | MP4/MOV (H.264/H.265) | MP4/MOV (H.264/H.265) |
最大動画ビットレート | ◾️H.264/H.265 200 Mbps ◾️Apple ProRes 422 HQ 3772 Mbps ◾️Apple ProRes 422 2514 Mbps ◾️Apple ProRes 422 LT 1750 Mbps | 200Mbps | 200Mbps |
カラーモード | ◾️通常(ノーマル) 10-bit 4:2:2 (Apple ProRes 422 HQ/422/422 LT) 8-bit 4:2:0 (H.264/H.265) ◾️通常(D-Log) 10-bit 4:2:2 (Apple ProRes 422 HQ/422/422 LT) 10-bit 4:2:0 (H.264/H.265) ◾️通常(HLG/D-Log M) 10-bit 4:2:2 (Apple ProRes 422 HQ/422/422 LT) 10-bit 4:2:0 (H.265) ◾️中望遠(ノーマル) 10-bit 4:2:2 (Apple ProRes 422 HQ/422/422 LT) 8-bit 4:2:0 (H.264/H.265) ◾️中望遠(HLG/D-Log M) 10-bit 4:2:2 (Apple ProRes 422 HQ/422/422 LT) 10-bit 4:2:0 (H.265) ◾️望遠(ノーマル) 10-bit 4:2:2 (Apple ProRes 422 HQ/422/422 LT) 8-bit 4:2:0 (H.264/H.265) | ◾️通常(ノーマル) 8ビット4:2:0 ◾️通常(D-Log) 10ビット4:2:0 ◾️通常(HLG/D-Log M) 10ビット4:2:0 ◾️中望遠(ノーマル) 8ビット4:2:0 ◾️中望遠(HLG/D-Log M) 10ビット4:2:0 ◾️望遠(ノーマル) 8ビット4:2:0 | ◾️通常(ノーマル) 8ビット4:2:0 ◾️通常(D-Log/HLG) 10ビット4:2:0 |
動画解像度 | ◾️通常 5.1K50fps 4K120fps ◾️中望遠 4K60fps ◾️望遠 4K60fps | ◾️通常 5.1K50fps 4K120fps ◾️中望遠 4K60fps ◾️望遠 4K60fps | 5.1K50fps 4K120fps |
静止画サイズ | ◾️通常 5280×3956 ◾️中望遠 8064×6048 ◾️望遠 4000×3000 | ◾️通常 5280×3956 ◾️中望遠 8064×6048 ◾️望遠 4000×3000 | 5280×3956 |
ISO感度 | ◾️動画 100~6400(ノーマル) 400~1600(D-Log) 100~1600(D-Log M) 100~1600(HLG) ◾️ナイトモード 800~12800 (ノーマル) ◾️写真 100~6400 | ◾️動画 100~6400(ノーマル) 400~1600(D-Log) 100~1600(D-Log M) 100~1600(HLG) ◾️ナイトモード 800~12800 (ノーマル) ◾️写真 100~6400 | ◾️動画 100〜6400(ノーマル) 400〜1600 (D-Log) 100〜1600 (HLG) ◾️ナイトモード 800〜12800 (ノーマル) ◾️写真 100〜6400 |
シャッター速度 | ◾️通常 8~1/8000秒 ◾️中望遠 2〜1/8000秒 ◾️望遠 2〜1/8000秒 | ◾️通常 8~1/8000秒 ◾️中望遠 2〜1/8000秒 ◾️望遠 2〜1/8000秒 | 8〜1/8000秒 |
内部ストレージ | 1TB | 8GB | 8GB |
重量 | 963g | 958g | 895g |
サイズ | 折畳時 231.1×98×95.4mm 展開時 347.5×290.8×107.7mm | 折畳時 231.1×98×95.4mm 展開時 347.5×290.8×107.7mm | 折畳 221×96.3×90.3mm 展開時 347.5×283×107.7mm |
最大速度 | 75.6km 28.8km(上昇) 21.6km(下降) | 75.6km 28.8km(上昇) 21.6km(下降) | 75.6km 28.8km(上昇) 21.6km(下降) |
最大高度 | 6000m | 6000m | 6000m |
飛行時間 | 43分 | 43分 | 46分 |
最大飛行距離 | 28km | 28km | 30km |
耐風性能 | 12m/s | 12m/s | 12m/s |
動作環境温度 | -10℃~40℃ | -10℃~40℃ | -10℃~40℃ |
衛星システム | GPS + Galileo + BeiDou | GPS + Galileo + BeiDou | GPS + Galileo + BeiDou |
チルト範囲 | -90°〜35° | -90°〜35° | -90°〜35° |
障害物センサー | 前後・左右・上下 | 前後・左右・上下 | 前後・左右・上下 |
映像伝送 | O3+ | O3+ | O3+ |
伝送距離 | 8km | 8km | 8km |
【比較】3種類あるDJI Mavic 3の違い
現在販売されているDJI Mavic 3には3つの機種があります。
- DJI Mavic 3 Pro Cine
- DJI Mavic 3 Pro
- DJI Mavic 3 Classic
Proシリーズである「DJI Mavic 3 Pro Cine」と「DJI Mavic 3 Pro」は、機体の性能自体はまったく同じで、唯一異なるのはカメラ性能です。
一方「DJI Mavic 3 Classic」は、上記2機種(Proシリーズ)とはカメラ性能と機体性能が異なります。
Mavic 3 Pro CineとMavic 3 Proの違い
「DJI Mavic 3 Pro Cine」と「DJI Mavic 3 Pro」はカメラ性能が異なります。
Pro Cine | Pro | |
---|---|---|
Apple ProRes 422 HQ Apple ProRes 422 Apple ProRes 422 LT | 対応 | 非対応 |
内部ストレージ | 1TB | 8GB |
値段 | DJI RC Pro 563,420円 | 単体 261,800円 DJI RC 351,800円 DJI RC Pro 471,800円 |
「DJI Mavic 3 Pro Cine」は、より圧縮率が低く動画のクオリティーが高いApple ProRes(422 HQ/422/422 LT)で収録できます。
Apple ProResとは?
Apple ProResは、Appleが開発した高品質なビデオ圧縮技術です。
映像データを効率的に扱いながら、品質を維持できます。プロの映像制作や編集で使われ、編集作業がスムーズに行えるように設計されています。ProResは、複数の品質レベルがあり、プロジェクトのニーズに応じて選択できます。
Apple ProResはデータ量が大きくなるため、機体に1TBのSSDストレージが搭載されています。それに比べ、通常のProには8GBのストレージしかありません。
◾️Apple ProResはどんな人に必要?
- 映画を撮影する業者
- CMを撮影する業者
- PVを撮影する業者
クオリティーの高い映像を要求される映画やCM、PVなどを撮影する業者が必要とします。
個人での撮影や映画やCMなどを撮影しない多くの業者は不要です。よって「DJI Mavic 3 Pro Cine」を購入すべきなのは映画などを撮影する業者だけです。
Apple ProResは編集するにもそれなりのPCスペックが必要!データ量が大きいので取り扱いが面倒。
Mavic 3 ProとClassicと違い
「DJI Mavic 3 Pro(Cine)」と「DJI Mavic 3 Classic」ではカメラと機体性能が異なります。
Pro(Cine) | Classic | |
---|---|---|
カメラ | 3個 通常(4/3型CMOS) 中望遠(1/1.3インチ) 望遠(1/2インチ) | 1個 通常(4/3型CMOS) |
重量 | 958g/963g | 895g |
サイズ | 折畳時 231.1×98×95.4mm 展開時 347.5×290.8×107.7mm | 折畳時 221×96.3×90.3mm 展開時 347.5×283×107.7mm |
飛行時間 | 43分 | 46分 |
飛行距離 | 28km | 30km |
機体の性能は誤差の範囲でほぼ同じ。
決定的な違いはカメラの個数で、Proシリーズは3つ搭載、Classicは1つだけの搭載です。
簡単に言えば、Proシリーズの通常カメラだけのモデルがClassicになります。つまりProシリーズから2つのカメラ(中望遠と望遠)を取り除いたのがClassicです。
ClassicにCine版はなく、ProResでの撮影はできないので注意。
中望遠と望遠が必要か必要じゃないかで決めればOK!必要な人はProを購入、要らない人はClassicを購入。
◾️中望遠と望遠は必要?
中望遠(70mm)と望遠(166mm)はあれば便利です。
メインの広角カメラ(24mm)では撮れない圧縮効果の効いた映像や迫力のある映像を撮れます。4K60fpsでの撮影にも対応し、中望遠はD-Log Mにも対応しているため、色編集しやすいです。
ただし以下のような望遠の欠点もあります。
- 画質が荒い
- 映像がブレやすい
- 結局使わなくなる
望遠はメインカメラと比べると画質が劣っています。使えないレベルではありませんが、ものすごく綺麗かと聞かれればそうではありません。
撮影時はピント調整が難しくピントが甘くなりがちです。撮影時のピント調整をミスると編集ではどうにもなりません。また、風の影響でブレが目立つため、風のない日に撮影したり、ブレ補正をかけて修正する必要があります。
望遠はあると便利ですが、画質と撮影時の難しさにより結局多くの人は使わなくなります。
Pro(261,800円)とClassic(179,300円)では約8万円の差があります。8万円払ってでも望遠が必要な人はProを選べばいいですし、必要ないのならClassicで十分です。
値段
Mavic 3 Pro Cine | Mavic 3 Pro | Mavic 3 Classic | |
---|---|---|---|
値段 | DJI RC Pro 563,420円 | 単体 261,800円 DJI RC 351,800円 DJI RC Pro 471,800円 | 単体 179,300円 RC-N1 189,200円 DJI RC 209,000円 |
DJI Mavic 3シリーズは20万超えの値段が高い機体です。
機体単体での購入はすでにプロポ(送信機)を持っている方向けです。はじめて購入する方はプロポ付きのコンボで購入しましょう。
プロポには「RC-N1」と「DJI RC」、「DJI RC Pro」の3種類があります。
「RC-N1」はモニターが付いてなく、スマホやタブレットを取り付ける必要があります。一方、残りの2つはあらかじめモニターが付いているため、取り付けの必要がありません。
プロポはモニター内蔵がおすすめ!「DJI RC」か「DJI RC Pro」のどちらかを選びましょう!
◾️DJI RCとDJI RC Proはどちらがいいの?
どちらもモニター内蔵のプロポですが、この2つには大きな違いがあります。
主な違いは以下2つ。
- HDMI対応で映像を外部出力できるか
- 輝度がより明るいか
結論から言うと、DJI RC Proのほうが性能がよく業者仕様です。
例えば撮影現場ではHDMI端子で外部モニターに撮影している映像を表示させることがあります。これはDJI RC Proしか対応していないため、必要な方はDJI RC Proを選びましょう。個人の趣味などでは外部出力は必要ないので、DJI RCで十分です。
またモニターの輝度も異なります。DJI RC Proのほうがより明るく、日中に太陽が出ているときでも画面が見づらくならず操作できます。
この2つのプロポは8万円(単品だと12万円)ほどの価格差があります!HDMI出力が必要ないならDJI RCで全然問題ありません!
機体保険
Mavic 3 Pro Cine | Mavic 3 Pro | Mavic 3 Classic | |
---|---|---|---|
値段 | 1年版 41,800円 2年版 69,300円 | 1年版 29,700円 2年版 47,300円 | 1年版 23,100円 2年版 37,400円 |
ドローンを購入する際には絶対に機体保険(DJI Care Refresh)を同時購入しましょう。
これは機体の破損や紛失の際に少額で修理や交換ができます。
機体保険に入っていないと、衝突や紛失した際にまた全額出して購入する必要があるため出費が増えてしまいます。事故の危険の高いドローンですので、ぜひお得なDJI Care Refreshの購入を忘れずに
カメラ性能
DJI Mavic 3は小型機ですがカメラはとても高性能です。
初心者がノーマルカラーで撮っても非常に綺麗な映像・写真が撮れますし、色編集しやすいD-LogやApple ProResにも対応しているため、映画やCMの撮影にも使えます。
センサーサイズ
Mavic 3 Pro Cine | Mavic 3 Pro | Mavic 3 Classic | |
---|---|---|---|
センサー | 通常 (4/3) 中望遠 (1/1.3型) 望遠 (1/2型) | 通常 (4/3型) 中望遠 (1/1.3型) 望遠 (1/2型) | 通常 (4/3型) |
DJI Mavic 3シリーズのメインカメラのセンサーサイズは、4/3型CMOS(マイクロフォーサーズ)になります。
ほかの趣味向けドローンと比べるとサイズが大きく、より多くの光を取り込めるため画質はとても綺麗です。
Inspire 3 | Mavic 3 | Air 2S | Mini 3 Pro | Mini 3 | Mini 2S | Mini 2 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
センサー | 35mm | 4/3型 | 1型 | 1/1.3型 | 1/1.3型 | 1/2.3型 | 1/2.3型 |
一部のミラーレス一眼にも使用されており業務でも使えるレベル!
中望遠は1/1.3型、望遠は1/2型とセンサーサイズは小さくなるため、どうしてもメインカメラと比べると画質は劣ります。
1型あればかなり綺麗な映像になるので正直「1型」は欲しかったですが、1/2型で撮影された映像を大画面で見てもそれほど悪くはないです。
中望遠と望遠の画質
お世辞にも素晴らしいとは言えませんが、しっかりピントが甘くならず撮影できていれば、なかなか綺麗な映像・写真を撮れます。
センサーサイズのせいというよりも、ピント調整次第で画質は大きく変わります。
焦点距離
Mavic 3 Pro Cine | Mavic 3 Pro | Mavic 3 Classic | |
---|---|---|---|
焦点距離 | 通常(24mm) 中望遠(70mm) 望遠(166mm) | 通常(24mm) 中望遠(70mm) 望遠(166mm) | 通常(24mm) |
メインカメラは空撮での標準24mmです。
空撮では風景撮影が多いため24mmという広角が標準になっています。Mavic 3 Proシリーズはオプションで広角レンズが別売りされており、15.5mmの超広角で撮影することも可能。
Classicでは24mmしか使えませんが、Pro シリーズは中望遠70mmや望遠166mmも使えます。ひとつの機体で3つの画角で撮影できるのは非常に便利です。
空撮では70mmや166mmといった画角で撮影できる機体は少なく、そのような画角で撮影された映像は新鮮味があります。しっかり使いこなせれば、広角では表現できない圧縮効果の効いた絵や迫力ある映像を撮れますよ。
絞り
Mavic 3 Pro Cine | Mavic 3 Pro | Mavic 3 Pro Classic | |
---|---|---|---|
絞り | 通常(f/2.8〜f/11) 中望遠(f/2.8) 望遠(f/3.4) | 通常(f/2.8〜f/11) 中望遠(f/2.8) 望遠(f/3.4) | 通常(f/2.8〜f/11) |
Mavic 3シリーズのメインカメラは絞り調整ができ、F2.8からF11まで変更可能です。
画質の面での違いはほとんどわかりませんので、正直なところ、露出合わせ(NDフィルター合わせ)用といっても過言ではありません。
一方、中望遠と望遠はそれぞれF値は「固定」で変更できません。望遠を使う際にはシャッター速度やNDフィルターで露出を調整する必要があります。
NDフィルターは必須
Mavic 3シリーズは絞り調整ができますが、NDフィルターは必須です。
最大限絞ったとしても、NDフィルターがない状態ではシャッター速度が速くなりすぎます。機体の購入と同時に必ずNDフィルター(ND4〜32)を購入しましょう。
動画解像度・静止画サイズ
Mavic 3 Pro Cine | Mavic 3 Pro | Mavic 3 Pro Classic | |
---|---|---|---|
動画解像度 | ◾️通常 5.1K50fps 4K120fps ◾️中望遠 4K60fps ◾️望遠 4K60fps | ◾️通常 5.1K50fps 4K120fps ◾️中望遠 4K60fps ◾️望遠 4K60fps | ◾️通常 5.1K50fps 4K120fps |
静止画サイズ | ◾️通常(20MP) 5280×3956 ◾️中望遠(48MP) 8064×6048 ◾️望遠(12MP) 4000×3000 | ◾️通常(20MP) 5280×3956 ◾️中望遠(48MP) 8064×6048 ◾️望遠(12MP) 4000×3000 | ◾️通常(20MP)5280×3956 |
動画解像度はメインカメラで5.1Kの50fpsで撮影できます。
多くの方は使用する4Kでは120fpsにも対応。120fpsで撮影することで、映像をかなりスローにできるため、滝など流れの速い被写体を撮影するときはおもしろい表現ができます。
スロー撮影時の画質はほんの少し悪くなっている感じがあります!
中望遠と望遠では4K60fpsで撮影できます。空撮で120fpsを使う機会はほとんどなく、使っても60fpsなので、望遠で60fpsに対応していることは素晴らしいです。
動画フォーマット/カラー/ビットレート/ダイナミックレンジ
Mavic 3 Pro Cine | Mavic 3 Pro | Mavic 3 Pro Classic | |
---|---|---|---|
フォーマット | Apple ProRes 422 HQ Apple ProRes 422 Apple ProRes 422 LT MP4/MOV (H.264/H.265) | MP4/MOV (H.264/H.265) | MP4/MOV (H.264/H.265) |
カラーモード | ◾️通常(ノーマル) 10-bit 4:2:2 (Apple ProRes 422 HQ/422/422 LT) 8-bit 4:2:0 (H.264/H.265) ◾️通常(D-Log) 10-bit 4:2:2 (Apple ProRes 422 HQ/422/422 LT) 10-bit 4:2:0 (H.264/H.265) ◾️通常(HLG/D-Log M) 10-bit 4:2:2 (Apple ProRes 422 HQ/422/422 LT) 10-bit 4:2:0 (H.265) ◾️中望遠(ノーマル) 10-bit 4:2:2 (Apple ProRes 422 HQ/422/422 LT) 8-bit 4:2:0 (H.264/H.265) ◾️中望遠(HLG/D-Log M) 10-bit 4:2:2 (Apple ProRes 422 HQ/422/422 LT) 10-bit 4:2:0 (H.265) ◾️望遠(ノーマル) 10-bit 4:2:2 (Apple ProRes 422 HQ/422/422 LT) 8-bit 4:2:0 (H.264/H.265) | ◾️通常(ノーマル) 8ビット4:2:0 ◾️通常(D-Log) 10ビット4:2:0 ◾️通常(HLG/D-Log M) 10ビット4:2:0 ◾️中望遠(ノーマル) 8ビット4:2:0 ◾️中望遠(HLG/D-Log M) 10ビット4:2:0 ◾️望遠(ノーマル) 8ビット4:2:0 | ◾️通常(ノーマル) 8ビット4:2:0 ◾️通常(D-Log/HLG) 10ビット4:2:0 |
ビットレート | ◾️H.264/H.265 200 Mbps ◾️Apple ProRes 422 HQ 3772 Mbps ◾️Apple ProRes 422 2514 Mbps ◾️Apple ProRes 422 LT 1750 Mbps | 200Mbps | 200Mbps |
ダイナミックレンジ | 12.8ストップ | 12.8ストップ | 12.8ストップ |
DJI Mavic 3 Pro Cineは3つのApple ProResに対応しています。
- Apple ProRes 422 HQ
- Apple ProRes 422
- Apple ProRes 422 LT
Cine以外は従来通りH.264/H.265(MP4/MOV)での撮影に対応。
すべての機体でLOG撮影とHLG撮影もでき、10ビットでの収録が可能です。(ノーマルカラーでは8ビットでの収録になります)
10ビットでは約10億7300万色、8ビットでは約1600万色と大きく異なり、10ビットで撮影したほうがグラデーションが綺麗になります。
ビットレートはCine以外は200Mbpsで収録でき情報量が多く画質が良いです。また、CineのApple ProResでは1000〜3000台の高ビットレートでとてつもない情報量です。
ビットレートの数値が高ければ画質もよくなる!
どの機種も最大12.8ストップのネイティブダイナミックレンジに対応しており、写真はなんと12ビット のRAW写真が撮れます。これは一眼カメラ並みで、実際撮影した写真を見てもかなり綺麗です。
Mavic 3シリーズは映像を撮影する人はもちろんのこと、空撮写真をメインで撮影する人にもおすすめできる機体。
機体性能
機体性能はMavic 3シリーズすべての機種でほとんど差はありません。
重量・サイズ
Mavic 3 Pro Cine | Mavic 3 Pro | Mavic 3 Pro Classic | |
---|---|---|---|
重量 | 963g | 958g | 895g |
サイズ | 折畳時 231.1×98×95.4mm 展開時 347.5×290.8×107.7mm | 折畳時 231.1×98×95.4mm 展開時 347.5×290.8×107.7mm | 折畳 221×96.3×90.3mm 展開時 347.5×283×107.7mm |
機体の重量・サイズともに、Proシリーズのほうが少し重く大きいです。
理由は搭載されているカメラが大きくなったから。Proシリーズは3眼レンズとなり、1つしかないClassicと比べてどうしても大きくなります。大きくなったカメラを支えるためにも、機体も若干大きくなっています。
最大速度
Mavic 3 Pro Cine | Mavic 3 Pro | Mavic 3 Pro Classic | |
---|---|---|---|
重量 | 75.6km(水平) 28.8km(上昇) 21.6km(下降) | 75.6km(水平) 28.8km(上昇) 21.6km(下降) | 75.6km(水平) 28.8km(上昇) 21.6km(下降) |
速度は3機種とも同じです。
Sモードで最大75.6km出るため、車や船などの動体空撮をしたり、動きのない広い場所での風景撮影では大活躍します。
上昇速度も下降速度も結構速いため、上下の移動でも映像に動きをつけれます。
クルーズ制御機能で速度を細かく調整
Mavic 3シリーズには「クルーズ制御機能」が搭載されており、各モード(C/N/S)で最高速度を設定できます。
最高速度を設定しておくことで、スティックを目一杯倒しても設定した速度以上は出ないため、正確な操作が行えます。
例えば被写体に接近して超低速で撮影したいときに、Cモードで最大速度を5kmに設定しておけば、かなり繊細な操作ができるのです。
飛行時間・バッテリー
Mavic 3 Pro Cine | Mavic 3 Pro | Mavic 3 Pro Classic | |
---|---|---|---|
飛行時間 | 43分 | 43分 | 46分 |
Classicは46分間の飛行が可能で、Proシリーズは43分間となっています。
これは単純にカメラが大きく機体の重量が増えたためで誤差の範囲と言えます。
どの機体も実際に40分以上飛べるわけではなく、実際の飛行時間は飛ばし方にもよりますが、30分〜40分ほどになります。
Mavic 3シリーズが優秀なのはこの飛行時間です。約40分飛ばせることで、1回のバッテリーでたくさんフライトできるため、撮影できるカット数が増え、映像も写真もどちらも撮れます。
またバッテリー残量をあまり気にしなくていいため、撮影に集中できるのも飛行時間が長いメリットと言えます。
1本でたくさん飛ばせますが、空撮するなら最低でも3本は必要です!
耐風性能
Mavic 3 Pro Cine | Mavic 3 Pro | Mavic 3 Pro Classic | |
---|---|---|---|
耐風性能 | 12m/s | 12m/s | 12m/s |
Mavic 3は風速12m/sまで耐えれます。
地上でここまでの風速を観測することな少ないため、ほとんどの環境下で飛ばせます。
ドローンは風に弱いのは間違いなく、Miniシリーズなど機体によっては風のせいで未帰還になるケースが多々あります。しかしMavic 3は風のせいで未帰還になることはほぼなく、あまり風の心配をする必要がありません。
Mavic 3を飛ばすようになってから風は気にしなくなりました!
マニュアルを変更すれば12m/sまで飛ばせる
Mavic 3を飛行するには基本的に国土交通省への飛行許可・承認申請が必要です。
申請しても飛行できるのは風速5m/sまでと飛行マニュアルで制限されています。しかしこの飛行マニュアルを独自で作成し、風速の箇所を変えるだけで12m/sまで飛行可能になるのです。
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伝送システム・距離
Mavic 3 Pro Cine | Mavic 3 Pro | Mavic 3 Pro Classic | |
---|---|---|---|
システム | O3+ | O3+ | O3+ |
距離 | 8km | 8km | 8km |
映像伝送は「O3+」で、数値上は遠く8kmまで飛行可能です。
障害物や電波状況によって異なりますが、実際には3kmを超えてくると映像が乱れやすくなります。
そこまで遠く飛ばすことはないですが、2km圏内で障害物がなければ手元の画面が乱れたり大幅に遅延することなく操作できます。
Mavic 3は伝送の観点でも非常に優秀!安心・信頼性は抜群です。
障害物センサー
Mavic 3 Pro Cine | Mavic 3 Pro | Mavic 3 Pro Classic | |
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耐風性能 | 前後・左右・上下 | 前後・左右・上下 | 前後・左右・上下 |
障害物を検知するセンサーは全方向に搭載されています。
センサーの感度はかなり向上していますが、すべての障害物を検知できるわけではありません。例えば、小さな枝や電線などは検知しないことも多く、衝突してしまう可能性が高いです。
画面を見ながら操作していても、障害物に接近していることを知らせてくれたり、自動で障害物を避けてくれる機能も搭載されており、とても安全性の高い機体です。
高性能なセンサーが付いていますが、過信せず危険な場所では目視して飛ばしましょう!
アドバンストRTH
RTH(自動帰還)機能もほかのドローンと比べると優秀で「アドバンストRTH」が実装されています。
- アドバンストRTHとは?
- 飛行終了時は、安全性が向上したアドバンストRTHで、どこに機体があっても安全に帰還できます。
この進化したRTH機能により、Mavic 3はホームポイントまでの最適な飛行ルートを自動的に決定し、素早く帰還します。
ユーザーが自ら起動した場合でも、信号ロストにより起動した場合も、Mavic 3は、十分な明るさのある環境では、簡単な操作で安全にホームポイントまで帰還します。
(引用:DJI 公式サイト)
突然電波が切れた際、適切に設定していれば自動で安全に戻ってきてくれます。ただし意図せず発動したら操縦者としては失格、RTHはあくまで補助的な機能です。
ホームポイントがしっかり更新、高度がしっかり設定されている必要がありますし、「十分な明るさのある環境では」と書かれていますので、条件が整っていないと機能は発揮しません。
このような機能に完全に頼ると事故につながるので要注意!
APAS 5.0
事前に設定しておくことで、飛行途中に障害物があったら自動で避けてくれます。
Mavic 3には「APAS 5.0」が搭載されており、6つのビジョンセンサーと広角レンズを使用した2つのセンサーを組み合わせ、障害物を検知して、滑らかかつ迅速に障害物を回避してくれるのです。
こちらも検知できるものとできないものがありますので完全に頼るのは要注意!
クイックショットなどの自動撮影
自動で見応えある映像を撮影してくれる機能も搭載されています。
人間の操作では難しいショットをワンタップで撮影してくれるため、初心者でもすごい映像を撮れてしまいます。ある程度ドローンに慣れてくるとまったく使わなくなりますが…。
空間が広かったり、まわりに障害物ないことなど事前に確認!
Mavic 3を使用した総評
DJI Mavic 3は機体性能と撮れる映像を含め、すべてにおいて完成度の高い機体です。
撮影した映像や写真のクオリティーが本当に高く、センサーが4/3型センサーなので、一眼カメラと同じレベルのものを撮れます。10-bitのD-Log撮影でカラーグレーディングすることも可能。
ノーマルカラーで撮影しても驚くほど綺麗な絵が撮れてしまうため、初心者でもプロ顔負けの絵を撮れる最強の機体です。
業務でもっとも使用頻度が高く、実際にMavic 3で映画やドラマ、PVも撮影しています。業務の現場で重宝される機体であることから、映像や写真のクオリティーは折り紙付き。
- 初心者・業者問わず全員が買うべき
- Mavic 3はドローンで映像撮影する全員におすすめする機体です。
業者は即買いすべき1台ですし、初心者であってもいきなり買うべきです。映像はMini 3やAir 2Sと比べても綺麗ですし、これ1台持っておくことで撮影も編集も楽しくなりますよ。
バッテリーの持ちが素晴らしい
集中して撮影できる性能を兼ね備えていることもMavic 3の素晴らしい点です。
その象徴的なのが飛行時間です。
飛行時間は46分間で実質30〜40分ほどの飛行が可能。飛行時間が長いことで、以下のようなさまざまな恩恵をもたらします。
- たくさんのカットを撮影できる
- バッテリーの減り具合を逐一確認することが減る
- 1〜3km程度なら気軽に飛ばせる
- 多少風でも心配する必要がない
複数カットを撮れる&撮影に集中
飛行時間が伸びればたくさんのカットを撮影できます。
映像と写真を両方撮る人も、さまざまな角度から複数カットをじっくり撮りたい人も、一度のフライトでたくさん撮れるのは大変ありがたいです。
ドローンはバッテリー残量に余裕を持って安全に帰還させる必要があります。飛行可能な時間が短いと帰還のためにバッテリー残量が気になり撮影に集中できません。
Mavic 3はその心配をする回数が減るため撮影に集中したい人には最高の一台です!
長距離飛行が可能
飛行時間が長いことで1〜3km程度の距離なら何も心配せず飛ばせます。
長距離飛ばすときは「海」が多いですが、海だと緊急着陸できる場所がないため未帰還になるリスクがあります。そのリスクを回避するために、飛行時間が短いとかなり余裕を持って帰還させなければなりません。
飛行時間が長く、速度も出るMavic 3なら1〜3km程度の距離はすぐに到達し、そのまま撮影して帰還させてもまだバッテリー残量は30%以上あることが多いです。
伝送システムも良く、経験上3kmくらいなら伝送が遅れたり画面が乱れたりすることも少ないため、気軽に長距離飛ばせるのもMavic 3の良い点です。
風の心配をする必要がない
空を飛ぶドローンは風の影響を受けるため、飛行前に風速を確認することは重要です。
法律的にも風速5m/sが安全に飛ばせるとされており、航空局の標準マニュアルにも風速5m/sまでしか飛ばせない旨が記載されています。
Mavic 3の耐風性能は12m/sとなっており、台風やかなり風の強い日を除けば、地上で吹く風の多くの風速に耐えれるのです。
風をそこまで気にする必要がなくなりました!
航空局のマニュアルも独自マニュアルとして、風速の箇所を以下のように書き換えてあげれば、合法的に12m/sまで飛行可能になります。
メーカーが定めた風速抵抗値を超える状態、もしくはメーカーが定めた風速抵抗値を超えることが予想される状態では飛行させない。
これが例えばMiniシリーズは機体が軽いため風に弱く、未帰還になるケースが多々あります。機体が軽いドローンは少し風が強いと飛ばすのを躊躇しますが、Mavic 3はそれが一切ありません。
【関連記事】ドローン飛行時の強風の影響と対策は?風上・風下を把握して飛ばせば問題なし
ノーマルカラー&D-Logが綺麗
運営しているYouTubeチャンネルには、Mavic 3で撮影したさまざまな映像を載せています。
D-Logではなくほぼすべてがノーマルカラーでの撮影。つまりカラーグレーディングをすることなく、ほぼ撮って出しの映像です。
Mavic 3はノーマルカラーがとても綺麗です。
「HNCS(ハッセルブラッドナチュラルカラーソリューション)」を採用しており、ノーマルカラーで撮影しても自然で鮮やかな色が出ます。実際に撮影するとノーマルカラーが綺麗すぎて、もはやノーマルカラーで充分なレベル。
一般的にノーマルカラーで撮影した映像はすでに完成した映像であることから色編集には適していません。しかし、Mavic 3のノーマルカラーで撮影した映像は色編集できる幅が広く、調整バーを大きく動かしても色が破綻しにくく、ノイズも出にくいです。
PLフィルターで色鮮やかに
PLフィルターを付けて撮影すると、以下2つのメリットがあります。
- 色が鮮やかに(濃く)なる
- 水の反射を抑えて透明度を表現できる
PLフィルターをつけて撮影することで、単純に色が鮮やかに(濃く)なるため、濃い色を出したいときにはもってこいの小道具です。鮮やかな緑を出したい森での撮影や、木々が赤や黄色になる紅葉のときなどに。
また、海や川、滝壺などで使うことで水面の反射を抑えて透明度を写せます。
- PLフィルターの購入
- PLフィルターは太陽の反射を抑え、海や森や空などが色鮮やかに写るため、撮影にはぜひ持っておきたいフィルターです。PLとNDを兼ねているフィルターとしておすすめなのが、PolarProのフィルター。他社製品と比べると高額ですが、品質が高く使用する価値あります。
D-Log+LUTで色編集は簡単
Mavic 3では10-bitのD-Log収録ができます。
10-bitは約10億7300万色で表現するため、ノーマルカラーの8-bit(約1600万色)と比べると色の情報量はまったく異なり、グラデーションが綺麗に出ます。
D-Logで撮影した映像は色の薄い映像になっており、そのままだと使えず、必ずカラーコレクションやカレーグレーディングといった色編集という作業が必要です。
Log素材を初心者が最初から色編集するのは難しいですが、実はDJI社がLUT(Lookup Table)と呼ばれるものを用意してくれており、これを使うことで色編集を簡単にしてくれます。
この無料で配布されているLUTをただ適用するだけで、ノーマルカラーに近い色にしてくれます。
4K120fpsのスローモーション撮影
滝や川など、動く被写体を撮影するときにMavic 3は最大の効果を発揮します。
Mavic 3は4K120fpsのスローモーション映像を撮れます。具体的には、滝や川の流れを非常にゆっくり再生でき、これまでの空撮では撮れなかったおもしろい表現ができるのです。
120fpsのスロー撮影は、プロ向けのInspire 3以外のドローンでは対応していないため、まさにMavic 3の特権とも言えます。
スローで撮影すると画質が多少落ちている感じがしますが、映像は普通に綺麗で全然使えるレベルです!
望遠カメラで異なる画角で撮影
Mavic 3シリーズには、機種によってメインのハッセルブラッドカメラ(24mm)のほかに望遠カメラが搭載されているものがあります。
- Mavic 3:24mm広角/162mm望遠
- Mavic 3 Classic:24mm広角
- Mavic 3 Pro:24mm広角/70mm中望遠/166mm望遠
Mavic 3の魅力はこの「望遠」で、レンズを取り替えることなくひとつの機体で複数の画角で撮れるのがこの機体の凄いところです。
ドローン空撮は24mmの広角が標準で、ほとんどのドローンは24mmの広角です。空撮では風景撮影が多いことから、情報量が少なく画角の狭い焦点距離はあまり好まれません。
ただし広角の絵は目新しくなく、望遠の狭い画角はまだまだ目新しく新鮮です。Mavic 3 Proシリーズでは3つの画角が使えるということで、表現の幅が広がります。
162-166m望遠のメリット
- ほかの機体では撮れない画角
- 圧縮効果を得られる
- 近づけない被写体を撮れる
Mavic 3の望遠は162mm(Proシリーズは166mm)とかなりの望遠です。
ここまで望遠で撮れるドローンはほかにないため、新鮮でとても迫力ある映像が撮れます。かなり遠くの被写体を撮影できるため、近づけない被写体を撮るのにも適しています。例えば動物や電車などの撮影時には重宝します。
デジタルズームを駆使することでさらにズームできますよ!
また162mmもあれば圧縮効果も凄いです。遠くにある被写体がグッと近づくことでドローン撮影では普通は表現できないダイナミックな絵が撮れるのです。
162-166m望遠のデメリット
望遠に関しては賛否両論ありまして、以下の理由からあまり使われません。
- センサーサイズが小さい
- ピントが甘い(解像度が低い)
- 映像がブレやすい
センサーサイズは、Proシリーズの70mmの中望遠が1/1.3型、166mmの望遠が1/2型と少し小さいです。個人的にはより画質がよくなる「1型」はあってほしかった…。
ただ、小さいとはいってもピントさえバッチリ合っていれば、たとえ大画面で見ても全然綺麗でまったく問題なく使えるレベルです。
ところが望遠はピント調整が難しく、バッチリ合わせることが難しいです。オートにしておくと、映像が動くと自動的にピント調整され使えない映像になります。70mmの中望遠は比較的ピントを合わせやすいですが、166mmは少し合いづらいときがあります。
そしてもう一つの問題は、映像がブレることです。とくに風が吹いていると映像はほぼブレます。望遠で遠くを写しているため、わずかなブレが映像に反映されてしまうのです。
これは無風のときに撮影するか、編集でブレ補正をかけてあげれば解決しますのであまり問題ありません。
写真は12-bit LAWで撮れる
Mavic 3で撮れる写真は、ミラーレス一眼で撮った写真と遜色ありません。
メインカメラは20MPの12bit RAWで撮影可能です。
さすがにInspire 3や一眼カメラには敵いませんが、ここまで小型で一眼カメラ並の写真が撮れるようになったのは革命。まさに空飛ぶ一眼カメラと言えます。
f2.8からf11まで絞りの調整も可能ですし、濃いNDフィルターを別途購入することで、シャッタースピードを落とした空からのスロー写真も撮れます。
望遠カメラは写真撮影でも重宝します。
正直なところ、望遠カメラで映像を撮影するのは難しいです。ブレやすいため、風の状況や繊細なスティック操作で映像の質は大きく変わります。
写真撮影では技能や環境に左右されにくく、初心者でも簡単に扱えます。
写真ならピントも合わせやすく、解像度の高い写真を撮れてしまいます。1/2センサーではありますが、プリントするのではないSNS投稿が目的であれば全然問題ないクオリティーです。
ホバリング精度が向上
Mavic 3はホバリング性能が高いです。
GPSはGLONASSやBeiDouなど、誤差の少ない複数の衛星からの電波を早く受信できます。センサー類の進化もあり、機体がユラユラせずその場にピタッと止まってくれるのです。
ホバリング性能が重要になるのは超低速で飛ばしたときです。ホバリング性能が悪かったり機体の重量が軽いと、機体が左右にユラユラ揺れてしまいます。そうなると映像もわずかながらに揺れてしまい、あまり好ましい映像ではなくなります。
Mavic 3は超低空で飛ばしてもかなり安定しています。以下の動画のような狭い空間でゆっくり飛ばしたときにも、ユラユラしない滑らかな映像を撮れるのです。
ハンドキャッチがしやすい
Mavic 3はハンドキャッチ&ハンドリリースがしやすくなりました。
理由は前方の左右の足(アーム)が長くなったからです。
プロペラが機体から離れたので、キャッチするときにプロペラに手が当たりづらくなり、気持ち的にも恐怖感が消えました。
わたしは100%ハンドリリース&ハンドキャッチなのでありがたい!
【参考記事】コツを掴めば超簡単!ドローンのハンドリリース&ハンドキャッチのやり方
雪の撮影は要注意
Mavic 3は排熱口が機体上部や側面にあり雪が入りやすい構造です。
実際に雪が降っているなか飛ばしましたが、帰還させると機体上部に雪が積もっていて、排熱口やカメラ(ジンバル)付近にも雪がびっしり付いていました。
もし排熱口から雪(水)が入ってしまうと故障の原因になりますので、雪のなかMavic 3を飛ばすのはあまりおすすめしません。
まとめ
Mavic 3シリーズの性能や使用してのレビューを書きました。
高額な機体ではありますが、業務でもっとも使用されているプロも使うドローンなので、撮れる映像や写真は高品質です。プロアマ問わず、映像や写真にこだわりたい人には必需品です。