日頃ドローンを飛ばしている皆さんは墜落させた経験はありますか?
わたし自身、過去に何回か墜落させたことがありますが、最近は墜落させることはなくなりました。「なぜ墜落するのか」という原因がわかりましたので、今回は墜落原因とその対策について共有してみたいと思います。
ドローンは墜落させてはいけません!被害・損害が発生し大変なことになります。ドローンを飛ばす際には墜落させないことを第一に飛ばしましょう。
ドローンは基本的に墜落しない
空を飛ぶドローンですが、基本的に墜落しません。飛行機もヘリコプターも同じで滅多なことがないと墜落しないものです。
空を飛ぶものは基本的に墜落しませんが墜落する前提である必要があります。つまり、墜落前提で法制度を整えたり、飛行しなければならないということです。
法律(航空法)は墜落する前提で作られているので、空を飛ぶ人工物が墜落する原因はすべて人のミスによるものです。
墜落する原因と対策
ドローンが墜落する原因と対策を紹介します。
墜落する原因は大体決まっていまして、ドローンが原因で墜落するということはあり得ず、ほぼすべてが操縦者が原因で墜落しているのです。
木や枝に衝突する
墜落原因の多くは、まわりの木に突っ込んだり枝に接触してしまうことが挙げられます。
機体を目視していれば起こりづらく、大抵の場合は「目視外飛行」しているとき。もっと言うと、補助者を置かずにひとりで目視外飛行しているときに起こります。これは航空法(飛行マニュアル)で基本的に禁じられている行為ですので、法律を守れば防げるわけです。
ギリギリを攻めていれば、目視飛行していたとしても、遠近感がわからず枝に接触してしまうケースは多々あります。
もう一つは障害物センサー頼りの飛行をしているときです。障害物センサーはとても優秀ですが、細い枝は感知しづらく、性能を過信しているとそのまま枝に当たって墜落してしまいます。
対策は?
・事前にロケハンして見えづらい木や枝を確認しておく
・なるべく機体を目視して飛ばす
・モニターを見て操作するなら補助者をつける
・センサーは頼りにしない
障害物に衝突
木や枝以外にも障害物に当たって墜落することもあります。
これも単純な操作ミスで、ひとりで目視外飛行していたり障害物に近付き過ぎたときに起こります。
航空法(飛行マニュアル)では、人や物件から30m以内を飛行させるときは補助者をつけるかプロペラガードの装着が必要です。
枝ではない建物などの場合、プロペラガードを装着していれば接触しても墜落は防げる可能性が高いため、接近して飛ばすときにはプロペラガードを付けるようにしましょう。
低空飛行し過ぎた
低空飛行し過ぎて墜落するケースもあります。
地表から3mほど余裕を持って低空飛行すればいいのですが、本当にスレスレを飛ばしていると地面にぶつかってドローンが破損します。地面が一定の高さなら問題ありませんが、意外と地面は一定ではないため、攻めた飛行をするとそのまま地面に激突してしまうのです。
水面も要注意
水面での低空飛行も水没の可能性大です。水面ギリギリを飛ばしていると、センサーが誤作動を起こして勝手に高度が下がって水没というケースがあります。また、波がある場所では水飛沫がかかる可能性があり故障の原因にもなります。
対策としては地面でも水面でもギリギリを飛ばさないことです。
バッテリー切れ
バッテリー切れによる墜落も多いです。
ドローンのバッテリーは消耗が早く、80%あった残量があっという間に30%になることも多々あります。特に寒い冬は消耗がいつも以上に早くなるので要注意。
対策としてはバッテリー残量を常時確認することですが、撮影に夢中になると確認を怠りがちになります。そこで役立つのがバッテリー残量の警告音です。あらかじめ設定することで残量を下回ると警告音を鳴らしてくれ、撮影に夢中になっていても気付けます。
この警告音を残量30%を下回ったときに鳴るように設定しておくことで、余裕を持った帰還が可能になります。
飛行距離に注意
遠くへ飛ばし過ぎてバッテリー切れになるケースも多いです。
長距離飛行する際に重要なのが帰りの風を考えておくこと。行きは追い風で遠くまで飛ばせても、帰りが向かい風だと帰還できない可能性が高まります。
ドローンは速度や飛行距離、バッテリー残量などから計算して残りの飛行時間を出してくれます。しかし、そこに風の影響は考慮されていないため、警告を信用してはいけません。
長距離飛ばすときは、風の向きを事前に把握して早めの期間が必要になります。
【関連記事】ドローン飛行時の強風の影響と対策は?
ATTIモードで流される
GPSの電波が届きづらい場所では、ドローンはATTIモードになります。
ATTIモードではドローンはその場にホバリングしてくれず勝手に動きます。風が吹いていればどんどん流されます。滝や渓谷などでは、突然このATTIモードに切り替わることもあり、ATTIモードの操作に慣れていないと高い確率で墜落させてしまいます。
対策としては、GPSの電波が弱い場所では慎重に飛ばすことはもちろんのこと、あらかじめATTIモードでも確実に飛ばせるように練習しておくことで墜落は防げます。
電波ロストで墜落
空撮用ドローンが使用する電波2.4GHzは、わりと広範囲に届く周波数帯です。
しかし、数キロ先へ飛ばしたり障害物の裏側へ行ってしまうと、電波が途切れてしまうことがあります。最近発売されたドローンは「O3やO2(OcuSync)」を使用していて途切れづらいですが、「拡張Wi-Fi」などは電波が途切れやすいです。
電波が切れると操縦者は焦りますし、もしそれがバッテリー残量ギリギリの状態だったら帰還させることは難しくなります。おまけに、残量によっては意図せず不時着してしまうことも考えられます。
不時着地点が平らな場所ならいいのですが、人のいる場所や森のなかでそんなことになってしまったら大変です。
自動帰還の設定に注意
電波が途切れたときの自動帰還の設定によっては、帰還途中に障害物に接触して墜落する可能性もあります。例えば、自動帰還時の高度を低く設定し、途中に障害物があるとそのまま突っ込んでしまうのです。(特にセンサーがないドローン)
電波ロストによる墜落を防ぐには以下の対策があります。
- 電波ロストしないよう無理のない飛行をする
- 電波ロストしないよう立ち位置を考えて操作する
- 自動帰還時の高度をしっかり設定しておく
鳥に衝突
ドローンを飛ばしていると鳥が近寄ってきます。
1kgほどある機体(Mavic 3など)ですとあまり近寄ってきませんが、Miniシリーズなどの小型機だと近寄ってきて、場合によっては襲ってきます。
鳥に墜落させられた事例もあるため、もし飛行する空域に鳥が飛んでいたら様子を見ながら飛ばす必要があります。特に鷹などが飛ぶ空域で飛ばすのは控えたほうがいいかもしれません。
変電所、高圧線、電波塔など…
ドローンの飛行は電波を使用しているため、高圧線や変電所、電波塔付近でドローンを飛ばすと、混信してしまいコントロール不能で墜落の危険があります。
特に電波塔付近では映像が途切れたり乱れることは多々ありますので、このような場所の周辺では飛ばさないようにしましょう。航空法(飛行マニュアル)では周辺での飛行は制限されています。
原因不明
原因不明で墜落するケースもあります。
ドローンは電化製品である以上は誤作動を起こさない保証はなく、なんらかの原因で墜落することもあるでしょう。
ただ、原因不明のケースでも実は機体が損傷していたりして、普段の使用に原因があり、その積み重ねによる墜落もあり得ます。原因不明=点検の不備なども考えられますので、飛行前後の機体の点検は必要です。
墜落は防ぐには?
ドローンが墜落する原因のほとんどは操縦者のミスなので墜落は基本的に防げます。
事実、空撮を専門にしてる業者の多くは墜落させません。万が一撮影中に墜落してしまったら、次回以降の撮影依頼はなくなるからです。彼らは安全第一でやっており、墜落させないよう日々の点検や補助者の配置など、さまざまなことに注意し撮影しているわけです。
わたしのこれまでの飛行経験から「これを守っておけば墜落は防げる」というのがいくつかありますのでここで共有しておきます。
「〜だろう」「〜かも」操作はやめる
墜落の根本原因になりやすいのが、点検や確認を怠ったうえで「◯◯だろう」や「◯◯かも」と思い込み操作を続けてしまうことです。
車でいう「だろう運転」と同じです!
例えば、ドローンを飛行させていて「もう少し近づいても大丈夫だろう」とか「ここに木や枝はないだろう」というものです。
経験から言えるのは、「だろう」や「かも」が頭のなかに一瞬でもよぎったら、そこで一旦操作を止めることをおすすめします。続けてしまったときに大体墜落することが多いです。
目視外飛行のときは臆病になる
構図を決めて映像を撮ろうと思ったら手元のモニターを常に見続ける必要があり、そうなると完全に「目視外飛行」になります。
目視外飛行はモニターの映像だけが頼りになるので、ドローンの左右・後方・上下は確認できません。そこで先程の「だろう操縦」をすることで墜落につながってしまうわけです。
目視外飛行する際の心構えとして効果があるのは臆病になること。
臆病になって常にビクビクしながら「周囲に障害物はある?」と意識して操縦することで、機体の目視や確認が多くなり、結果的に墜落しにくくなるのです。
攻めた空撮を避ける
墜落を防ぐには攻めた空撮をしないことも重要です。
人や物件に接近して撮影したり、見えない枝が多い森でギリギリを攻めたりすると、当然ながら墜落の確率は上がります。
業者を例に挙げると、彼らは決して無理をしません。それは絶対に墜落させれないからです。だから超安全圏で飛ばしていて、ギリギリを飛ばしたりしません。
正直、攻めたほうが迫力ある魅力的な映像を撮れます。しかしそれはリスクがある行為であることを認識し、墜落しないよう対策を取り、事前に入念なロケハンしたうえで飛行させましょう。
バッテリーに余裕を持って帰還
バッテリー切れによる墜落は多いです。
撮影に夢中になり残量の確認を怠ったり、ついギリギリまで粘ってしまうことが多いです。
バッテリー切れの問題は対策すれば防げる問題でもあり、以下2つを守っておけばバッテリーが原因で墜落することはないでしょう。
- 残量30%で帰還させる
- 警告音を設定しておく
まとめ
ドローンの墜落は人為的なものがほとんど。
しっかり事前の点検や確認、飛行中に注意すべきことを守れば墜落の確率はグッと減らせます。
ドローン飛行で「墜落」はもっともやってはいけないことなので、紹介した墜落原因と対策を参考に、墜落させずに飛ばす方法を確立しましょう。