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棚田のドローン空撮テクニック

棚田の空撮テクニック 空撮テクニック/操作方法

初夏から秋にかけてドローン空撮の被写体としておすすめな「棚田たなだ」。

棚田は地上から見ても綺麗ですが、上空から見たほうが綺麗で、棚田全体を撮影できるのはドローンの特権と言えます。地上カメラやヘリコプターでは撮れない撮り方もドローンでは可能なのです。

この記事では、棚田の空撮する際の撮影方法や注意点を解説していきます。

棚田のドローン空撮テクニック

愛媛県大洲市にある「樫谷棚田」を水入れ直後に撮影

棚田を空撮するうえで、綺麗に撮れる方向や撮っておきたい絵があります。

現地でそれらを意識して撮影することで、棚田を綺麗に撮れる確率が上がるため、ぜひ参考にしてみてください。

棚田の上段側から撮影する

樫谷棚田 上段側から

上空から棚田全体を撮影するなら、棚田の上段側から撮影しましょう。

棚田は高低差があり、石積みで段々になっています。上空から見るとその段々が綺麗なわけで、段々を綺麗に撮れるのが上段側なのです。下段側から撮ると、段々が重なって見えてしまい、かなり高度を上げないと段々を綺麗に撮れません。

樫谷棚田 下段側
下段側から低い高度で見ると、段田が重なってあまり綺麗ではない

棚田の全体を撮る=上段側から撮ると覚えておけばOK!

下段側からの撮影は高度を上げる

樫谷棚田 下段側から

棚田を下段側から撮影するには高度を上げる必要があります。

棚田の規模にもよりますが、高低差のある大きな棚田ですと、すべての段々をおさめるには結構高度を上げないと綺麗な絵は撮れません。それこそ、航空法の上限である高度150mでは足りないこともしばしば。

もし大規模な棚田や急斜面で高低差のある棚田を撮影するなら、事前に高度150m以上の飛行が可能な高高度の許可を得ておくのもひとつの手です。小さい棚田であっても、高高度の許可を撮っておけば、航空機から撮ったような高度感のある絵を撮れます。

ドローンなら高高度からの絵も撮れて、低空ギリギリの絵も同時に撮れてしまいます!

3つの視点から撮影

樫谷棚田 3方向から撮影

棚田に限った話ではありませんが、さまざまな高度・角度から撮ることを意識しましょう。

  • 高い位置から全体を撮影
  • 低空で目線の高さを撮影
  • 俯瞰の絵も撮影

高い位置から全体を撮影

棚田を高い位置から撮影

高度を上げて高い位置から棚田全体を撮影します。

棚田全体を撮る際に意識すべきは、「棚田がどんな場所にあるのか」というまわりの環境を入れることです。海や空、山、森、住居など。しかも、一方向からではなく複数方向から撮影します。

棚田は見る方向によって全然異なる見え方をします。上段・下段側からはもちろん、横から、斜めから、とにかくさまざまな方向から撮り、映像ならまわりの環境を入れつつノーズインサークルするのもいいです。

低空で目線の高さを撮影

棚田を低空で撮影

ドローン撮影の特徴として、低い位置を縦横無尽に移動できるメリットがあります。

棚田の低空スレスレを、まるでレールの上を移動しているかのような絵を撮れるということです。これは地上カメラでもヘリコプターでもできないことで、まさにドローンの特権。

稲に接近してスレスレをゆっくり飛ばす絵は、色鮮やかで迫力も出ます。

速度はCモードでゆっくり飛ばします。繊細な操作が必要ですが、もし低空で自由自在に移動できれば、目線視点で色鮮やかな棚田を写せます!

障害物センサーは基本ONのまま
低空で飛ばす際に障害物センサーをOFFにする必要はありません。上段から下段へ向かう場合にはONのままでもセンサーは反応しません。下段から上段へ移動する場合には、高さによってセンサーが石積みに反応するため、センサーをOFFにするか、高度を上げて調整しましょう。

俯瞰の絵も撮影

棚田を俯瞰で撮影
俯瞰は棚田の段々が綺麗

棚田の撮影でもう1つ撮っておきたいのが俯瞰ふかん

段々になっている棚田をカメラを真下へ向けて撮ると、田んぼ1枚1枚がはっきり見えて美しいです。映像の場合には、俯瞰のまま上昇・下降したり、そこに機体を回転させたりします。

規模が大きかったり縦長の棚田なら、俯瞰しながら前進・後進・横移動する絵も撮っておきたいですね。

俯瞰撮影で大事なこと

俯瞰で撮影するときには、すべての操作をできるだけゆっくりするよう心掛けましょう。俯瞰で速度を速くすると、映像がカクカクしやすくなり微妙な映像になってしまいます。

トラクターや人などを入れる

棚田だけの絵でも綺麗ですが、絵に動きをつけるとよりいい映像になります。

可能なら作業中のトラクターや作業員などを入れて撮影するといい絵になります。もちろん、動く被写体を撮影するため、綺麗に撮るには繊細な操作は必要不可欠です。また、勝手に撮ってはいけないので、事前にしっかり許可を撮ったうえで撮影しましょう。

田植えの時期や稲刈りの時期が狙い目です!

時間帯や天候を選んで撮影

泉谷棚田

棚田の撮影は、時間帯や天気も大事です。

快晴の日の昼間なら、鮮やかな緑や黄色に染まる棚田を撮れます。早朝や夕方ですと、太陽の光が弱く、雰囲気ある棚田を撮れます。早朝は運がよければ、場所によっては雲海も同時に撮れますし、夕方なら方向によっては夕日もおさめれて、幻想的な映像が撮れやすい。

風が吹けば、稲が揺れていたり動いている雲が棚田に写るおもしろい絵を撮れます。基本的に雨を除けばどの天候でもそれぞれ異なる絵を撮れます。

棚田の鮮やかな緑や黄色を撮りたいなら晴れてる日に撮影しましょう!

撮影時期は3回ある

樫谷棚田

同じ棚田は最低でも3回は撮影できます。

  • 水入れ前後(4〜6月)
  • 稲が成長した頃(7〜8月)
  • 稲刈り前(9〜10月)

3つの時期で棚田の色が変化します。

水入れ前後は、棚田の石積みによる段々が強調され、1枚1枚の境界線がはっきり見えます。棚田の曲線美が捉えるのに一番いい時期です。ただ、この時期の棚田は土の色なので、色的にはあまり綺麗ではありません

棚田の規模にもよりますが、規模が大きいなら撮り甲斐はあります。また、この時期は夕方に撮ることで、棚田の水が反射し幻想的な風景になりますよ。

もっとも棚田が綺麗なのは、稲が成長し棚田が一面緑になる頃です。段々も見えるのに加え、色鮮やかな棚田へと進化します。低空撮影で「空」を入れることで、鮮やかな棚田の緑と空の青がものすごく綺麗ですので、棚田を撮影する際にはぜひこの時期に行くことをおすすめします。

稲刈り前の稲が黄色になる時期も圧巻です。棚田1枚1枚の淵は緑色で、稲だけが黄色になり色が豊富で、こちらもまた絵になります。

この時期は長くないので、稲刈りが始まる前に撮るよう注意が必要です。

棚田の変化を撮る

同じ棚田をそれぞれの時期に撮影することで、棚田の変化を表現できます。

例えば、同じ構図で撮影すると、写真でも動画でもおもしろい絵を作れます。

写真なら、3つの時期の同じ構図の写真を繋いで1枚の写真にします。3分割し、上1/3は水入れ直後の棚田、真ん中1/3は緑の棚田、下3/1は黄色の棚田と、3枚の写真をちょうど同じ繋ぎ目で繋ぐと、1枚の写真で棚田の変化を写せます。

境界線をしっかり馴染ませることで、違和感のない写真が完成するのです。

一方、動画なら「不透明度」の数値を次第に変更することで、水入れ直後の棚田が次第に緑の棚田へと変化していくように編集したりもできます。

このようにおもしろい表現ができるため、あらかじめ計画して撮影するようにしましょう!

棚田のドローン空撮の注意点

鮮やかな緑が綺麗な「樫谷棚田」を撮影

棚田を撮影する際の注意点がいくつかあります。

棚田には目に見えづらい障害物や稲に最大限の注意を払って飛行させる必要があります。稲は売り物なため墜落は絶対にNGです。

見えない電線や線に注意

棚田の障害物
赤線のところには電線が!

棚田に意外と多いのが電線など細い線。

電線に限りませんが、近づいても見えないくらい細いものが張ってあることが多く、低空で飛ばしていると、接触して墜落しかねません。

飛行前は必ず飛行範囲に電線を含めた線がないか、目視で確認しておくことをおすすめします。

生育中の稲に注意

稲に注意点

稲はお客さんなどに販売する売り物です。

ドローンを墜落させてしまうと、その堕ちた場所の稲は売れなくなる場合があるため、絶対に稲に影響がないよう飛行させなければなりません。低空でもあまりに低い高度での飛行はよくないです。操作を誤ればプロペラで稲を切ってしまうことも考えられます。

稲に影響が出ない高さで飛ばしましょう!操作に夢中になるのは危険!

高度150m超えに注意

棚田撮影は高度に注意

棚田は高低差があるため、知らずに高度150mを超えてしまう可能性があります。

例えば、50m以上高低差がある棚田で、上段側から操作し下段側でドローンを上昇させるとき。手元のモニターでは高度が150m表示だったとしても、高低差があるので、下段側では150mは超えてしまっています。つまり、航空法違反です。

下段側から棚田全体を撮ろうとすると、結構な高度を上げないと全体を綺麗に撮れないと書きました。いい絵を撮ろうと映像に集中していると、高度に意識がいかなくなりますので、飛行の際には高度を気にして飛ばしましょう。

モニターに表示されるのは飛ばした位置からの高度。ドローンが飛んでいる位置の高度が大事なので、自分より標高の低い場所を飛ばす際には要注意!

まとめ

水入れ直後に内子町にある「泉谷棚田」を撮影

棚田の空撮テクニック・撮影方法について解説しました。

これまで複数回飛ばして感じたことを中心に書きました。今後もさまざまな棚田を撮っていく予定ですので、気付きがあればその都度追記していきます。