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西条市の隠れ名所「止呂峡」をドローンで空撮

止呂峡 撮影スポット(被写体)

愛媛県西条市にある峡谷「止呂峡とろきょう」を撮影しました。

ここはほかと比較しても見応え抜群の峡谷で、自然が創り出した素晴らしい渓谷美を堪能できます。しかし「超」が付くほどマイナーで、一体なぜここまで知名度がないのか不思議なくらいです。地元の警察署へ連絡したときに、対応した方が存在すら知らなかったことには驚きました。

止呂峡はそもそも観光地とは言いづらいです。その理由も明白で、峡谷全体を見渡すことができず、高い位置から部分的に眺められるだけだからです。結局ぜんぜん景観を楽しめないから観光地化されていないのです。

今回はそんな人が立ち入れず見ることすら難しい峡谷をドローンで撮影してきました。

ドローンは上空から俯瞰で撮れるのはもちろんのこと、人が立ち入れない場所を自由に飛ばせて映像が撮れます。今回のように川の上を直線的にゆっくり飛ばせるのはもはやドローンだけがなせるわざです。

止呂峡とは?

止呂峡

止呂峡とろきょうは加茂川の上流にある峡谷。

大蛇が住むと昔から言い伝えられており、ほかにも数々の伝説が残っていて地元住民によって語り継がれています。

愛媛県の西条市から高知県へ向かう国道194号線沿いにあり、伊予西条駅からは車で20分ほどの距離。駐車場はないものの、止呂橋の入り口のところは少し広くなっており車を停めれるスペースがあります。

峡谷を眺められるのは止呂橋から。この止呂橋はとても絵になる橋で写真映えすること間違いありません。交通量はほとんどないので自由に撮影や観光ができます。

止呂峡の先から人気観光地の「UFOライン」へ登って行けるので、もし西条市側からUFOラインを目指す際にはぜひ寄ってみることをおすすめします。

おすすめの時期と時間帯

止呂峡

止呂峡は秋の紅葉がもっともきれいです。

とは言ってもここの紅葉を撮ったことがないので断言できませんが、写真を見る限り、たしかに秋に撮ることをおすすめします。実際には秋にも行ったのですが、見頃を過ぎていたようで全然きれいではなく撮影はしませんでした。また次行く機会があったら秋に撮りたいと思います。

止呂峡は撮影する時間帯も大事です。

深い峡谷でまわりは高い山々に囲まれているため、夕方になる前にはとっくに日陰になっています。水のきれいさを映すためにも、できれば太陽の光が当たっている昼間に撮影したほうがいいです。朝早過ぎてもダメ。10時頃から14時頃までには撮影しておきたいところ。

止呂峡のドローン空撮映像

峡谷自体は素晴らしかったです。

冒頭でも書いたように、ほかの峡谷とまったく見劣りしないザ・峡谷でした。長い年月をかけて川の流れによって削られた芸術的な岩肌には感動しました。これはどの峡谷・渓谷を撮るときにいつも思うことですが、今回のこの止呂峡もすごかったです。また、流れる谷川(加茂川の上流)の水もめちゃくちゃきれい。太陽の光が入ると、水深が深い場所はエメラルドグリーンに輝き、それは橋の上からでも確認できます。

こういう見応えある景色を撮れたときは編集していても楽しいものです。そしてここはもっと有名になってもおかしくありません。

環境的にも難易度の高い撮影

止呂峡

止呂峡はなかなか難易度の高い撮影でした。

まず墜落したら回収に行けません。落ちた場所によっては回収できるかもしれませんが、そもそも立ち入りが難しいですし、基本的に水の流れの上を飛ばすことになるので水没する可能性大。

そして補助者はおらず、機体の目視もしないので完全にモニター頼り。補助者なしはいつものことだから全然問題ないですが、本当に小さな枝は見えないのでギリギリを攻めると墜落のリスクがあります。でもギリギリを攻めなければいけない…。

さらに低空で左右の岩場の間ギリギリをプロペラガードなしで通過します。このように左右が岩場であれば、プロペラガードを付けておくことで低速で当たったとしても墜落する可能性は低いです。しかしこの日はプロペラガードを持ってきていないのでそのまま飛ばしました。おまけに障害物センサーもOFFにしないとギリギリを攻めれないので切ります。

このように結構リスクが高いうえに絶対に落とせない環境だったので緊張しました。無事帰還させたときにはホッとしたのを覚えています。またやりたいかと聞かれればもういい(笑)

ドローン飛行可能!離発着は橋から

止呂峡

止呂峡ではどこかに連絡したり申請書を出したりすることなく自由に飛ばせます。これは市や河川を管理する団体などに確認済み。

航空法に関しては、DID(人口集中地区)には該当していません。ただし「人や物から30m以内〜」には該当しますし、映像を撮るなら「目視外飛行」も必要です。

ドローンの離発着は吊り橋になっている「止呂橋」から。むしろ橋からしか撮れません。

普段ドローンを飛ばすときは上空、つまり自分よりも高い位置で飛ばすのが一般的。しかしこの時は橋の数十メートル下で飛ばすことになりました。手元のモニターを見て飛ばすので、高い位置だろうと低い位置だろうと変わりませんが、帰還時は上昇が必要になるのでバッテリー残量ギリギリまで飛ばせません。さらに電波ロストしたときにRTHの設定を適切にしておかないと、最悪の場合、戻ってこなくなる可能性があります。

ちなみに止呂橋からの離発着は、道路を管轄している西条警察署からOKをもらいました。しかし注意点もあります。ここは一般車はほとんど通ることはないものの、伐採した木を運び出すための大きなトラックが通過します。橋ギリギリのとても大きなトラックが通るので、その辺は考慮しておくことが必要です。おまけに橋の近くには電線がいくつかあるので、電線に引っ掛けないよう注意することも忘れずに。

峡谷では繊細な操作が必須

止呂峡

峡谷の撮影では、普段よりも繊細な操作が必要になります。

低空でなおかつ周囲の障害物に近い距離で飛ばすことになるため基本的に「低速」で飛ばします。障害物にぶつからないよう安全面に気をつけて低速にするのもそうですが、撮影していて被写体との距離が近いときにスピードを速くしてしまうとブレてしまい映像としては使えません。被写体に近づけば近づくほど低速、逆に離れれば離れるほど速度を出して撮ります。

低速で飛ばすにはミリ単位のスティック操作が必要です。少しでもミスると場所によっては障害物に接触してそのまま墜落してしまいます。

繊細なスティック操作に関しては別の記事を確認してほしいですが、Cモード(Tモード)で飛ばすと簡単です。もっとも速度が遅いモードですが、標準設定ではそれでも少し速いので、設定(クルーズ制御)でもっと遅い速度に変えることで簡単に低速で飛ばせるようになります。

そもそも初心者には、峡谷は難易度が高いので飛ばさないほうがいいです。ある程度操作に慣れて、繊細な操作ができるようになってから飛ばすことを推奨します。

まとめ

止呂峡

西条市にある「止呂峡とろきょう」は無名であるものの、ぜひ一度訪れてみることをおすすめします。

ここを目当てに来なくてもいいので、ぜひUFOラインへ行く時や寒風山トンネルを抜けて高知県側へ行くときにでも立ち寄ってみるといいですね。