愛媛県にある西日本最高峰「石鎚山(いしづちさん)」でのドローン空撮に関して、アクセス方法や実際に撮影した映像、飛行させる際の許可について紹介していきます。

これまで数回飛ばしたことある経験から書いてますので、飛ばす際にはぜひ参考にしてみてください!
初心者でも登れる「石鎚山」

石鎚山は以下3つの総体山になります。
- 石鎚神社がある「弥山(みせん)」
- 最高峰の「天狗岳(てんぐだけ)」
- 切り立つ「南尖峰(なんせんぽう)」
標高は1,982mで、愛媛の最高峰であり、西日本最高峰でもあります。
山頂には石鎚神社の奥宮があり、宿泊する施設や食堂・売店などもあって充実しています。
登山ルートはいくつかありますが、ロープウェイで途中まで行けるルートや車で標高の高いところまで行けるルートがあり、初心者でも簡単に登れてしまう難易度の低い山です。
石鎚山の登山ルート

ルートはいくつかありますが、一般的な登山道は以下2つです。
- 表山道ルート
- 土小屋ルート
どちらもコースタイムが2時間30分〜3時間程度ですので、わりと簡単に登れるのが特徴。

最短で登れる超初心者ルートは「土小屋ルート」になります!
表参道ルート
- コースタイム:3時間
- 距離:4km
愛媛県西条市側から登るルート。
途中までロープウェイを利用し、そこから登山を開始します。多くの人が利用し、約8分間のロープウェイで麓から一気に高度を上げれます。
体力的にはこのあと紹介する「土小屋ルート」から登ったほうがラクですので、体力に自信がない人はそちらのコースがおすすめ!
冬には冬季通行止めの影響で「土小屋ルート」が使えませんので、冬季はこちらの「表参道ルート」からでないと登れません。

ロープウェイ乗り場には、駐車場がしっかり用意されています。
土小屋ルート
- コースタイム:2時間30分
- 距離:4.6km
愛媛県久万高原町側から登るルートで、石鎚山へ最短で登れます。
7合目から登り始めるため、高低差も少なく体力的にもっとも登りやすいルートです。
終盤までは緩やかな登り道で急登がなく、危険な箇所もないため登山初心者の多くも利用しています。

土小屋へのアクセスが可能な人は、ぜひこちらから登ることをおすすめします!
車でのアクセスがおすすめ!
土小屋へは車で行けますし、数十台おける駐車場も用意されています。
行き方は以下2つ。
- 久万高原町「石鎚スカイライン」経由
- 西条市から「UFOライン」経由
松山方面から行く場合、久万高原の「石鎚スカイライン」で行くことをおすすめしますが、石鎚スカイラインは朝7時から通行可能となり、冬季は通行止めになりますので要注意。
西条方面から行く場合には、寒風山トンネルの傍からUFOラインを通って土小屋まで行くことになります。こちらは門限がなく24時間アクセス可能です。
公共機関でも行けるが・・・
土小屋まではバスが運行しており、土日・祝日に久万高原町から1日2便ほど出てます。石鎚スカイラインを通るため、運行期間は冬季閉鎖が解除されている4月〜11月まで。
■参考リンク

土小屋へのアクセスは車やバイクが圧倒的に便利です!バスは不便!
石鎚山のドローン空撮映像
こちらは紅葉シーズンに空撮した石鎚山の映像です。
快晴で無風だったこともありドローン日和でしたが、残念ながらすでに山頂付近の紅葉は終わってしまっていました。山頂での撮影は雲海があったほうが映えますね。
こちらは年末の雪をかぶった石鎚山。
冬は登山客も少なく飛ばしやすい環境ですが、山頂は寒いので身体を温めておかないと震えてしまってスティック操作に悪影響を与えます。繊細な操作をする際には、指先よりも身体全体を温かくすることをおすすめします。
山頂の紅葉ピーク時に撮影した映像です。
本当に山頂付近だけ紅葉しており、下界の木々はまだまだ緑色です。
この日は雲ひとつない快晴&無風で非常に飛ばしやすい環境でしたが、休日に行ったので人がたくさんいて配慮しながらの撮影になりました。
紅葉は北壁がもっとも綺麗で、そちらを綺麗に撮るには午前中がおすすすめです。ただし、北壁方面は石鎚神社の敷地内となる登山道がありますので、飛行範囲は限られます。
石鎚山でドローンは飛ばせる?許可は?注意点は?

結論から言えば、石鎚山でドローンは飛ばせます。
ただ、注意点がありますので合わせて紹介。
- 石鎚山(周辺も)は国有林
- 石鎚神社の敷地は飛行禁止
- 絶壁なため地表面150m注意
- ヘリコプターが来る可能性
- 強風が吹くリスク
ひとつずつ解説していきます。
石鎚山を含む周辺は国有林

石鎚山を含むこの辺一帯はすべて国有林になっています。
ドローンを飛行させるには事前に愛媛森林管理所に入林届を提出する必要があります。
入林届は記入事項に問題がなければ基本的には受理され、誰でも飛ばすことが可能。
少なくとも1週間前には提出する必要はありますが、入林期間は長く設けておけるので自由度は高いです。事前に森林管理官に連絡を取ったうえで、申請日に現地で飛ばせます。
入林届の書き方は、UFOラインの以下の記事で解説してますので気になる方はチェックしてみてください。皆さんが思ってるよりも簡単。
石鎚神社の敷地は飛行禁止

石鎚山は国有林ではありますが、山頂の一部に石鎚神社の奥宮があり、石鎚神社の敷地となっていますので、そこからの離発着や上空はドローンを飛ばせません。
具体的にどこが石鎚山の敷地なのか?
- 弥山(宿泊施設や奥宮がある場所)
- 登山ルート(表山道・土小屋)
ロープウェイを降りてから登ってくる登山道や、土小屋からの登山道が石鎚神社の敷地ということで、登山道からの離発着、または上空通過もできません。
もし山頂付近で飛ばす際には、弥山の先にある天狗岳〜南尖峰のほうへ移動して飛ばす必要がありますし、そこからなら敷地外なので入林届さえ提出すれば飛ばすことが可能です。

まとめると、石鎚神社の敷地外で入林届を持っていればドローンを飛ばして撮影できるということ♪
山頂より上空は飛行禁止…

山頂で飛ばす際、山頂よりも高度をあげて飛ばすのは避けてほしい。
入林届を提出する際、このように森林管理所から言われます。

いやいや、それじゃ空撮できないじゃん(笑)
2021年に入り、石鎚神社から森林管理所にこのような要請があったようです。
石鎚神社側からすれば、登山客との事故を避けたいのと、あとは「神様を上を飛ばすのか」的なお話で、できれば敷地内だけでなく周囲でも飛ばしてほしくない様子。

入林届も出さずに人で混み合う「弥山」から飛ばす人もいますし、登山客とぶつかりそうになりヒヤヒヤしたことがある、と神社の方も以前おっしゃってました。
これはあくまでお願いベースであり、法的には敷地外での飛行はなんら問題ありません。ただ、神社や登山者への配慮は大事なので、南尖峰のほうから離着陸し、山頂から離れた位置で飛ばすことをおすすめします。
高度150m超えに注意!

石鎚山の山頂は切り立っているため、航空法の地表面の150m制限には注意が必要。
山頂から離れれば離れるほど地表面からの高度が上がるため、知らず知らずのうちに150mを超えてしまう可能性があります。

もし150mを超えそうな場合には、空港事務所に連絡したうえで必要な手続きを踏むことで150m以上の空域を飛ばせますよ!
石鎚山は模型航空機で250mまで飛ばせる?
DJI社のMiniシリーズなどの模型航空機は、場所によっては250mまで許可なく飛行可能ですが、この石鎚山の山頂付近は残念ながら250mまで飛行させることはできません。
問い合わせの結果、「岩国ACA内」で、さらに「航空路”V56”」の範囲に位置するそうなので、模型航空機で150m以上飛行させる場合には「模型航空機の飛行通報書」が必要になります。
詳しくは松山空港事務所に問い合わせましょう。
突然のヘリコプター来襲に要注意

石鎚山山頂はヘリコプターがよく飛んでくるため、ドローン飛行は細心の注意が必要です。
石鎚山には2週連続登りましたが、その2日とも山頂付近にヘリコプターが現れました。物資を下ろすことなく、救助に来た様子もなく、報道だったのかなぁと思いますが…

帰還させようとしたところにヘリの音が聞こえたため、周囲を見渡しながらすぐに帰還。帰還させるとすぐにヘリが現れ山頂を旋回し始めたため、なかなか危なかったなぁと思います。
飛行させる際には、ヘリコプターが周囲にいないか確認し、飛行中も常にヘリコプターが来ないか警戒。やってきたらすぐに帰還行動をとらないといけません。
強風時は飛ばさない決断も…

石鎚山の標高は約2,000mなので、強風には要注意です。
DJI社の空撮用ドローンは風速8m/sに耐えられる機体がほとんどで、地上で飛ばしている分には結構な風が吹いていても問題なく飛ばせます。
山頂付近では風が強いことが多く、突風が吹くことも考えられます。また、離発着地点では風は弱くても、少し離れれば一気に強風になることもあり得ます。

風には神経質になる必要があり、場合によっては帰還させられず墜落させてしまう危険性があります!
経験から注意すべき点が下記になります。
- 風が強いなと感じたら飛行しない
- 重量の軽い機体では飛行しない
- 天気のいい午前中に飛ばす
- 風上から風下へ飛ばす
風が強いと感じたら飛行しない
飛ばす際に風が吹いていて、「まぁ大丈夫だろう」とか「ギリギリいけるかも」なんていう言葉が頭に浮かんだら、その時点で飛ばさない決断をしましょう!
辛い思いをして山頂に到着し、飛ばさない決断をするのはなかなか難しいものです。自分も絶対に「大丈夫だろう」といって飛ばしてしまいます^^;
ただ、これをやると帰還させられない可能性が上がりますので、特に国有林では躊躇すべきです。
軽い機体では飛行しない
重量の軽い機体で飛ばすのはやめたほうがいいです。
軽い機体でも風速8m/sくらいは性能上耐えれますし、少しの風なら無事に飛んでくれます。
ただ、軽い機体ではそもそもパワー不足なため、ホバリングは頑張ってしてくれるかもしれませんが、移動することが困難になります。

耐風性能の数値を当てにするのは絶対NGです!
山頂付近の風はまったく読めず、離陸ポイントから離れるとより強い風が吹いていることがほとんどですので、帰還できなくなりますよ。
山頂で飛ばす際には、必ず200g以上の無人航空機でそれなりにパワーのある機体を使うべきですね。DJIで言えば、最低でもMavic 2シリーズやPhantomシリーズがおすすめ!
天気が安定している午前中に飛行
一概には言えませんが、山の天気は午後よりも午前中のほうが良好なことが多いので、できるだけ午前中に飛行させるのをおすすめします。
風も午後になるにつれ強まるケースが経験上多いです。
風上から風下へ飛ばす
山頂にかかわらず、ドローンを飛ばす際には風上から風下へ飛ばします。
強風時に、風上にドローンがいれば帰還させるのは簡単な一方、風下にドローンを飛ばしてしまった場合には、距離やバッテリー状況によっては帰還できなくなるからです。
山頂付近で飛ばす際には事前に以下のことを確認します。
- 風上と風下がどっちなのか把握
- 少し飛ばしてテストフライトする

風上でしか飛ばさないようにすれば、風が少し強くても無事に帰還させれますよ!
まとめ

西日本最高峰「石鎚山」でのドローン空撮に関することを紹介しました。
石鎚山の山頂ではドローンを飛ばせないと認識している人も多いですが、しっかり入林届を提出して石鎚神社の敷地に入らなければ問題なく飛ばせます。
山頂には登山客がいますので、できるだけまわりに配慮して飛ばしましょう!