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冬の降雪時のドローン飛行!実際に飛ばして大丈夫?問題はある?

空撮テクニック/操作方法
  • 雪が降るなかドローンって飛ばして大丈夫なの?
  • 雪で機体が壊れそうな気がするんだけど…
  • どれくらいの雪なら飛ばしていい?

降雪時のドローン飛行を試みようとしている人もいると思います。

普段見れないような幻想的な映像が撮れる一方で、電化製品であるドローンは水に弱く、雪によって機体を壊してしまうかもしれません。

この記事では、「降雪時に飛ばせるのか?」「飛ばす際の問題は?」に焦点を当て、これまで雪のなかを何度も飛ばした体験を交え紹介していきます。

結論を書きますと、降雪時でもドローンを飛ばすことは可能です。降雪量問わず問題なく飛行できますが、ドローンは防水ではないため、機体の破損、操作不能、墜落のリスクがありますので自己責任で飛行させましょう。

降雪時のドローン飛行映像

Mavic Airで降雪のなか初撮影。
少し雨っぽい&降雪量の多いなかMavic Miniで撮影。
DJI Mini 2の60fps(スローモーション)で撮影。
DJI Mini 2で雪が降るなか走行中の電車を撮影。
雪のなかMavic 3で飛行。120fpsでスロー撮影。気温はマイナス3度ほど。

降雪時にドローン飛行は可能?

降雪時でもドローン飛行は可能です。

わたし自身、もう何度も雪のなかを飛ばしてますし、ほかの方が飛ばしている映像も散見されますので、「飛ばせるか?飛ばせないか?」で言えば、間違いなく飛ばせます。

降雪量に関しても、パラパラ程度であっても大雪であっても、量に関係なく飛ばせます。

飛行はできますが・・・

飛ばせるとは言っても、ドローン自体は防水ではない電気製品ですので、水には弱く、故障や操作不能、墜落の可能性は高くなるので、あくまで自己責任のうえで飛ばしてください。

飛行前に注意すべき点

飛行前の注意点や、飛ばす際の環境を書いていきます。

  • 水分多めの雪は避け乾燥した雪で飛行
  • 5〜10分程度の飛行で、長時間はNG
  • 大雪ではなく、小雪のときに飛ばす
  • バッテリーの充電を満タンにしておく
  • スマホ・タブレットの充電も満タン
  • バッテリーを直前まで温めておく
  • 墜落しても大丈夫な場所で飛ばす
  • 氷点下での飛行は避ける

水分多めの雪は避け乾燥した雪で飛行

雪にも種類があります。

  1. 水分多めのベチャベチャした雪
  2. 乾燥したサラサラした雪

結論から言うと、乾燥したサラサラした雪のときの飛行を推奨します。

水分多めの雪ですと、雨のなかを飛ばしているのと同じで、機体がもろ水分に晒されることになり、モーターや排熱口に入ってしまうと故障の原因になります。

乾燥したサラサラ雪ですと、軽くてフワフワしており、高速回転するプロペラによって雪が吹き飛ばされ、機体に付着しづらくなります。

雪のなか飛ばして帰還させたドローンを見てみると、雪(水分)がまったく付着していないことが多く、機体の熱やプロペラで雪を吹き飛ばしています。

水分多めの雪では故障のリスクが高まるため、やめたほうがいいです!

飛行は10分以内!長時間はリスク増

そもそも降雪時の飛行は故障するリスクが増します。

それは飛行時間が長ければ長いほど増しますので、できれば5〜10分以内には帰還させることをおすすめします。

あまり気温の低い環境で長時間飛ばすと、機体に付着した水分が凍ってしまい、付着部分によっては操作不能で墜落の危険があるため、できるだけ飛行時間は短くしましょう。

極寒のなか「滝」を撮るときは要注意!機体に付着した滝の水しぶきが氷ってしまうことがあります!

大雪のときは飛ばすのを躊躇する

吹雪いている状況での飛行はNGですが、大雪程度なら飛行自体は可能です。

しかし、降雪量が多いと危険があります。

  • ホワイトアウトで自動帰還発動
  • センサーが正常に作動せず操作不能

上空では地上よりも吹雪いているケースが多く、ホワイトアウト状態ですとセンサーが正常に作動せず、操作しようとすると勝手に自動帰還が発動することがあります。

また、センサーに雪が付着してしまい正常に作動しなくなると、一部操作ができなくなる可能性があるので、降雪量が多く、風も強い状況では飛ばすのは避けたほうがいいです。

実際、わたしも飛行中に下降操作ができなくなり、自動着陸で対応したことがあります。

バッテリーの充電は満タンに!

飛行の際、バッテリーの充電は100%満タンに。

気温が低いとバッテリーの減りが早くなり、10分ほどしか飛べないDJI社のMiniシリーズは、あっという間のフライトになります。

そして、降雪時の飛行は操作不能などのトラブルが発生する可能性があり、トラブルに対処するためにも、フル充電し余裕を持っておきましょう。

スマホ・タブレットのバッテリーも満タン

ドローンのバッテリーをフル充電しておくことは当然ですが、モニター代わりとなるスマホやタブレットもフル充電しておく必要があります。

スマホなどのバッテリーも気温の低い環境だと減りが早く、古いスマホですと驚くほどの早さで減っていきますので、フル充電とともに常に残量に目を配っておきましょう。

実際の経験談ですが、飛ばし始めは96%ほどあったスマホのバッテリーが急激に減ってしまい、一気に10%以下になったことがあって帰還させたときは1%とギリギリでした。

バッテリーを温めておく

ドローンのバッテリーは直前まで温めておくことが大事です。

バッテリーは寒さに弱く、適温で使用しないと本来の性能を発揮できず、トラブルの原因になってしまいます。

氷点下で持ち運びしたり置いておくと、いざ飛ばす際にバッテリーは冷たくなっていますので、それで飛ばすのは危険!

飛行前にアプリの「DJI GO 4」や「DJI Fly」でバッテリーの温度を確認することが大切で、適温は25〜40℃。少なくとも20℃以上の温度になってから離陸させましょう。

飛行前はホッカイロなどで温め、ドローンを起動させて待っていると徐々に温かくなるので、20℃あたりを超えたら飛ばしましょう!

墜落しても被害のない場所で飛ばす

雪のなかでの飛行は墜落リスクがあるため、万が一墜落してしまっても大丈夫な場所でのみ飛行することをおすすめします。

緊急着陸の可能性もありますので、なるべく空間の広い場所を選ぶことも大事です。

あまりの氷点下での飛行は避ける

氷点下でもマイナス10℃よりさらに低い気温での飛行は控えましょう。

バッテリーはマイナス10℃以下での飛行は推奨されていません。

飛ばしたとしても、5分程度の短い飛行をおすすめします。

飛行中に注意すべき点

飛行中に注意すべきことは下記のとおりです。

  • バッテリー残量を随時確認
  • バッテリーの電圧低下が出たら即帰還
  • スマホ・タブレットのバッテリーも常時確認
  • GPSを確認し、目視できる範囲で飛行
  • 雪が吹いてくる方向にカメラを向けるのは要注意

バッテリー残量を随時確認する

気温の低い環境ではバッテリーの減りは通常よりも早いです。

常に確認しておかないと、最悪の場合バッテリー切れで未帰還になりますし、いつもと同じ具体で遠くへ飛ばしてしまうと、未帰還になる可能性が高まります。

警告が出てからバッテリーを気にするのではなく、飛ばした瞬間から常に気にしていることが重要で、遠くへ飛ばさないことも意識するといいですね!

「電圧低下」警告が出たら即着陸

寒い環境で飛ばしていると、「電圧低下」の警告が表示されることがあります。

警告が表示されたら、すみやかに帰還、またはその場に着陸させましょう!

墜落の危険が高まっている警告でもありますから、そのまま無視して飛ばし続けるのはNG。

スマホ・タブレットのバッテリーも常時確認

モニターとして使っているスマホやタブレットのバッテリーも常時確認しておくことが必要です。

過去に、96%ほどあったバッテリーが急激に減り、1%ギリギリで帰還させたことがありますし、急激にバッテリーが減ってしまう事例は多々あります。

ついドローンのバッテリーだけに気を配りがちですが、スマホやタブレットにもバッテリーがあり、0%になってしまうと設定によっては戻ってきませんので、ぜひ忘れないようにしましょう。

数年使用しているスマホやタブレットのバッテリーは、減りが早くなっている傾向があるので要注意!

GPSも常時確認!目視できる範囲で!

降雪時の飛行はGPSに悪影響があることも考えられるため、常にGPSの状況はチェックしておきましょう。GPSがない状況で風が吹いていたりすると、そもそもバッテリーの減りが早いこともあって、帰還させられなくなることがあります。

また、飛ばす際にはできるだけ目視できる範囲内で飛ばしましょう。できれば300m以内。別に機体を目視している必要はなく、あくまで目視できる距離でという意味です。

カメラに雪が付着するリスクを防ぐ

撮影に関してですが、雪がふわふわ舞ってくる映像を撮るには、雪が吹いてくる方向にカメラを向けることで撮れます。

しかし、雪が吹いてくる方向にカメラを向けると、雪がカメラに付着する確率が上がり、もし付着してしまうと映像としては使い物にならなくなります。

付着しても飛行中に溶けてしまうことが多いですが、氷点下だとそのまま凍ってしまうこともあり、そうなると一回帰還させてレンズを吹く羽目になるので、なるべくカメラを上に向けないようにしましょう。

飛行後に注意すべき点

飛行を終えたあとにすべきことを解説します。

  • 機体の水分を完全に拭き取り乾燥
  • 後日、機体に問題がないか要チェック

機体の水分を完全に拭き取る

機体に付着した水分は1滴も残さず拭き取りましょう。

ドローンは電化製品ですので、水分は故障の原因になりますので、これだけは忘れないように。

機体上部やプロペラ、モーター、カメラ、ジンバルを隅々までチェック。

また、寒い場所から急に暖かい室内などに入れると気温差で細かい水分が付着することもありますので、完全に拭き取ってからしっかり乾燥させましょう

後日、機体に問題がないかチェック!

後日、次のフライト時にはしっかり全ての動作に問題がないか改めて挙動テストを実施。

癖でいきなり高速で飛ばしてしまう人も多いと思いますが、そこはしっかり上昇・下降・横移動・チルトなどの操作やプロペラ音にも注意すべきです。

降雪時にドローンを飛ばす体制

降雪時は気温が低いため、ドローンを操作する本人の管理も重要です。

寒いところでは、普段と同じような操作ができないこともあるため、あらかじめ準備が必要。

指を温めるより、身体を温める

寒い環境で操作する際よく「指」に関心が集まり、つい「手袋を…」と考えますが、経験から言えることは、指よりも自分の身体を温めることが大事です。

手袋をしないと指は冷たくなりますが、撮影に集中するため意外と操作に支障は出ません。しかし、身体が冷えてしまうと操作に悪影響を及ぼします。

指が冷たくなっても震えることはないですが、身体が冷えてしまうと勝手に震えてしまい、それは指にも震えが伝わるので、繊細な操作が難しくなります。

身体が冷えないように第一に「防寒」が大事で、その次に指をケア!

マイナス10度近くの環境で30分以上飛ばしていると、さすがに指も冷たく動かしづらくなるので、極寒地ではホッカイロを使ったり対処は必要です。

降雪時には画面の雪除けが必要

降雪時、スマホやタブレットに付着した雪はすぐに溶けるため故障のリスクがあります。

モニターに水分が付着することは良くないですし、画面も見づらくなるので、昼間と同じようにサンシェードをして操作するのも一つの手です。

ほかにも傘をさしながらやるのもいいですし、目視はしづらくなりますが、自分の体を丸めて雪からプロポを守りながら操作することも可能です。

まとめ

降雪時のドローン飛行について解説しました。

故障や操作不能、墜落の危険はありますが、雪が降っているなかの映像はあまり他では見ませんので、とても新鮮で神秘的な見応えある映像を撮れます。

危険を冒してまでやることでもないですが(笑)、もし撮ってみたい人はぜひ安全を確保できる場所で自己責任にて試してみてはいかがでしょうか?