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パラグライダー(徳島スカイスポーツクラブ)をドローンで空撮

パラグライダー(徳島スカイスポーツクラブ)をドローンで空撮 撮影スポット(被写体)

毎週のようにパラグライダーを撮っているLEON channelさんにお誘いいただき、以前から撮りたかったパラグライダーを撮影しました。

空を飛ぶ被写体を撮影するのは初めてで、パラグライダーはなかなか撮れない被写体です。ネット上を探しても、パラグライダーをドローンで撮影した映像はほとんどありません。

それには理由がありまして、撮る機会がないのはもちろんのこと、一番は危険が伴うからです。しかも命に関わる重大な事故につながりかねない。危険性に関しては後半で詳しく書きますが、パラグライダーは人間が飛んでいるため、万が一ドローンと接触すれば大変なことになります。

基本的にパラグライダーのドローン撮影は推奨しません。興味本位で撮影したくなる気持ちも理解できますが、リスクが高すぎるため必要ないなら飛ばさないほうがいいですね。

この度は「徳島スカイスポーツクラブ」さん協力のもと撮影してきました。実際に撮影して感じたことや危険性を書いていきます。

パラグライダーのドローン空撮映像

パラグライダー撮影は想像以上に楽しく、持って行った数本のバッテリーもあっという間に使い切ってしまい物足りない気分でした。

これまで撮影した被写体のなかで一番楽しかったといっても過言ではありません。普段は退屈な風景撮影ばかりですし、動体撮影したとしても速度の遅い「船」ばかりですので全然刺激がないんですよね(汗)

楽しかった一番の理由が、被写体に対して360度どの角度・高度からでも狙えることです。

風景撮影にしても船の撮影にしても、上空からしか撮れず、下から見上げるような絵は撮れません。しかしパラグライダーの撮影では上空に障害物はなく、おまけに上下左右360度から狙えるため自由度が半端ない。自由自在にまわりをぐるぐる回れて、感覚的に機体を動かして撮れるのがなにより楽しかった理由です。

自分の操縦スキルを思う存分発揮できる!

正直、ここまで自由度の高い被写体はほかにありません。360度どの角度からも狙える被写体は、空を飛んでいる被写体でないと無理。

パラグライダー自体もわりと自由自在に飛ぶもので、左右に移動したり、下降したり、上昇したり、予測できない動きに合わせての追い撮りはとても撮り甲斐あります。とにかくいろいろな撮り方ができるので、それが楽しい理由ですね。

パラグライダーの撮り方

パラグライダーの撮り方

パラグライダーは360度さまざまな角度・高さから撮れるのが魅力で、撮り方は各々異なるので自分がコレだという撮り方を試行錯誤したらいいと思います。

色々な高さや角度からたくさんのカットを撮っておくといい!

基本的な撮り方は以下のとおり。

  • 背後から同じ高度と速度で追走
  • パラグライダーの斜め前から同じ高度で後進
  • パラグライダーより高い位置から撮る
  • パラグライダーを中心にノーズインサークル
  • 機体は動かさず「パン」と「チルト」調整で撮影

もっとも簡単なのが、ドローンをホバリングさせた状態で機体の回転(パン)だけで撮影する方法です。

慣れてきたらそこにカメラ角度(チルト)も調整します。近くを飛んでいるパラグライダーならこれだけでも十分素晴らしい絵が撮れます。この2つの操作を綺麗におこなうのも難しいため、まず機体を動かさずその練習をするといいですね。

機体を動かさなければそのぶん衝突するリスクも軽減できますしパラグライダー側も認識しやすい。また、機体を目立つ色にしておくことも、認識してもらううえで有効です。

実際、パラグライダー側から小さな機体は認識しにくいそう!

ホバリングする位置は邪魔にならない位置にしましょう。パラグライダーが飛び交っているなかでのホバリングは危険なので、状況を見て邪魔にならない、できる限り高度は低く、自分と目と鼻の先で絶対にパラグライダーが飛ばない空域を選ぶこと大事です。

同じ高度・同じ速度で追走

同じ高度・同じ速度で追走

パラグライダーの追走はまず同じ高度・速度で行います。

パラグライダーは常に一定の速度ではありませんし、進行方向も常に変わります。前にいるパラグライダーをしっかり見て、モニターから外さずに追えるように練習です。

大事なことはパラグライダーと常に距離をとること。接近すればいい絵は撮れますが、進行方向や速度が読みづらいパラグライダーに接近するのは極めて危険です。慣れていてもやめたほうがいい。

ずっと追いかける必要はなく、無理だと思ったらすぐに諦めましょう。そのまま夢中になって追いかけてしまうと、モニターに集中しすぎて周囲への意識がなくなり危険です。

パラグライダーを中心にノーズインサークル

パラグライダーを中心にノーズインサークル

慣れてきたらパラグライダーを中心にノーズインサークルする絵も撮りたいですね。

パラグライダーをグルーっと回り込んでくるのはドローンでしかできない技。これが撮れるようになれば、実際に飛んでいる人の顔が見えてきますし、映像的にも使える絵になりますよ。

これをやるには、まずは普通にノーズインサークルがきれいにできる必要があります。動かない被写体で正確に円を描け、被写体との距離を保って、微調整して近づきすぎたら離れて、逆に遠すぎたら近づくなど、ノーズインサークルが臨機応変にできる操作技術も必要。回避できる技術がないと、パラグライダーに近づき過ぎて接触、なんていうことにもなりかねません。

まずは動かない被写体で正確なノーズインサークルができるようにする。そして航行中の船をきれいにノーズインサークスできるくらいでないとダメですね。

余裕ができたら、高い位置から円を描くように降りてきてパラグライダーの前にまわりこんだり、逆に下から高度をあげつつ回り込んでいったりできます。その時にチルトの上げ下げもできると完璧です。

俯瞰で撮る

俯瞰で撮る

パラグライダーを撮るなら、真上から俯瞰でも撮っておきたいです。

俯瞰で撮ると、色がきれいなパラグライダー自体を写せます。これもドローンでないと撮れない絵。機体はあまり動かさずに「パン」と「チルト」をうまく使うときれいに撮れますよ。

周囲にほかのパラグライダーがいないのなら、上空からの撮影は比較的安全です。パラグライダーもそこまで急に上昇してくることはないので、余裕を持って距離を保った位置から撮りましょう。

見上げるようにして撮る

見上げるようにして撮る

チルトをUPしてパラグライダーを見上げるようにして撮るのもおすすめです。

機体の高度はパラグライダーよりも低く、チルトを上げた状態でパラグライダーのまわりをノーズインサークルしてくるくる回る絵はおもしろいです。別にノーズインサークルしなくても、ただ単に下から見上げるようにして撮る絵は新鮮ですし、これもドローンならではのカットです。

パラグライダー撮影の注意点

パラグライダー撮影の注意点

パラグライダーの撮影は命に関わる危険があることを認識しておきましょう。

人を死なせてしまう可能性が高いことを認識し、しっかり注意して飛ばさないと大変なことになります。周囲の状況や操作の熟練度によっては飛ばさないほうがいいです。

操作技術がないなら飛ばさない

操作技術がないなら飛ばさない

万が一、パラグライダーに接近してしまったときに回避行動が取れなかったり、ドローンを自由自在に扱えないならパラグライダーを撮影してはいけません。

下記に当てはまる方は要注意。

  • ドローン初心者
  • 操作に慣れていない方
  • 動体空撮をしたことがない方
  • 動体空撮をしてもうまく撮れない方

あとは空間把握能力のない方や、いまどこをドローンが飛んでいるのかわかない方、離発着地点とドローンの位置関係がわからなくなってしまう方なども危険です。業者のなかにもこのような空間把握能力や方向がわからなくなってしまう方は意外と多いので、そのような方はあらかじめ飛ばさないようにしましょう。

パラグライダーを撮りたい気持ちは理解できますが、ほかの被写体と比べるとはるかにリスクが高いため基本的に撮影は推奨しません。仮に操作技術に問題がなくても、複数のパラグライダーが飛んでいるなど状況次第では飛行はやめたほうがいいです。

複数機飛んでいたら飛ばさない

複数機飛んでいたら飛ばさない

パラグライダーを撮影する場合、複数のパラグライダーが同時に飛ぶことが多いですが、この状況下で飛ばすのは非常に危険ですので絶対に避けましょう。

撮影条件は、自由自在にドローンを飛ばせる技術があり、さらに上空に1機しかパラグライダーが飛んでいない場合のみです。

パラグライダーは飛ぶ場所も高度もどんどん変わります。つまり複数のパラグライダーが飛んでいると、一体どこにほかのパラグライダーが飛んでいるのか把握できなくなります。

動体撮影する場合には、その狙っている被写体に集中しすぎてしまい、まわりへの注意がおろそかになります。そうなるとまわりのパラグライダーに衝突してしまう危険が高まるのです。どちらも数十キロ出ているため、衝突すると結構な衝撃で大事故につながります。

たとえ補助者をつけていても、撮影中に地上から見た状況を伝えられても瞬時に位置関係や高度を把握できないため、なんの対策にもなりません。

あらかじめ1機だけ飛んでおり、操作に自身があるかたのみ撮影すべきです。

接近するのは注意

接近するのは注意

前述した通り、接近するのは危険行為なのでやめましょう。

それがパラグライダーの真上からでも背後からでも。パラグライダーの動きは不規則で一定ではありません。予測するのが難しく、反応が遅れたら命取りになるため絶対に近づいてはいけません。

これはパラグライダーに限りませんが、狙っている被写体に近づけば近づくほど危険ですし、離れれば離れるほど安全になります。ドローンのカメラは広角なので、つい欲張って接近してしまいがちですが、空を飛ぶパラグライダーに接近する行為は極めて危険ですので絶対にやめたほうがいいです。大抵、欲張るとロクな結果にならないのは肝に銘じておきましょう。

パラグライダーはすべてが一定ではなく予測不可能なので、接近するリスクは極めて高いですし、パラグライダー側にも恐怖感を与えてしまいますので、絶対に近づかないように。

高高度飛行の許可を取っておくと自由度MAX

高高度飛行の許可を取っておくと自由度MAX

パラグライダーは上空数百メートルあがります。

多くは山頂から飛ぶことが多いですが、山頂付近は切り立っているため、少し離れると離陸地点とは高度が異なります。つまり簡単に150mを超えてしまう可能性があるということです。

モニターに表示されるのはあくまで離陸地点との高度差です。表示されている数字が150mだったとしても、山頂から外れたところを飛行していたら150mは余裕で超えています。航空法の高さはドローンの真下の高度になるため、これは飛ばしているところから正確に判断するのは不可能です。

もちろん150mの範囲内で余裕を持って撮影すれば問題ありませんが、パラグライダーは意外と高度を上げますし、高度にとらわれずに撮影したほうがいい絵が撮れます。

よってパラグライダーを撮るときには、事前に150m以上の空域を飛ばせるように高高度の申請をしておくことをおすすめします。

まとめ

まとめ

実際にパラグライダーをドローンで撮影したときの体験を踏まえ、撮り方と注意点を書きました。

難易度は高いものの、直感的に飛ばせるため操作自体が楽しいのと、360度さまざまな角度や高度から狙えるため、構図の自由度が高くて撮り甲斐あります。

しかし非常に危険を伴う撮影であることを認識し、飛ばす必要がないのなら飛ばさないほうがいいです。普通の空撮と違い、ちょっとしミスで人が命を落とす危険があります。興味本位で飛ばさず、自分の操作技術と周囲の状況をみて臨機応変に判断しましょう。