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世界最大級の巨大コンテナ船「ONE INGENUITY」をドローン空撮【来島海峡】

ONE INGENUITY 撮影スポット(被写体)

来島海峡を通過する世界最大級の巨大コンテナ船「ONE INGENUITY」をドローンで撮影。

「ONE INGENUITY」は、全国の造船会社に発注された巨大コンテナ船6隻のうちのひとつで、今治造船丸亀事業本部で造船されました。

  • 総トン数235,000t
  • 幅61.4m
  • 全長399.95m
  • コンテナは24,000個搭載可能

全長400mと世界最大級。

あの戦艦大和の1.5倍の長さで、16両編成の新幹線「のぞみ」とほぼ同じ長さを誇ります。

船のデッキ上にはコンテナが14,000個強、ハッチカバーの下には約10,000個弱、合わせて24,000個も搭載できます。主にアジア(中国やシンガポール)とヨーロッパを結ぶ路線で運航し、今後日本に寄港する予定はありません。

造船されトライアルを終えたあと、ようやく引き渡され日本を離れます。今回撮影した映像は、ちょうど旅立ちで来島海峡を通過する際に撮ったものです。

世界最大級のコンテナ船「ONE INGENUITY」のドローン映像

今回、来島海峡大橋を通過する「ONE INGENUITY」を撮影しました。

前々から400mある巨大な船を撮影してみたかったので念願叶ったかたちです。

広い海を航行する様子を撮影するものアリですが、やはり船の大きさを表現するなら比較するものがないといけません。その意味でも来島海峡は最適で、まわりの島々に加えて来島海峡大橋(しまなみ海道)があるため、いかに巨大な船なのかがひと目でわかります。

しまなみで撮影するなら晴天を狙う

ONE INGENUITY

天気は晴れ予報でしたが、船が来る前に雲が濃くなってきて曇天に。遠くの西条方面は太陽の光が降り注いでいましたが、海峡周辺はずっと暗いままでした。

何度もしまなみ海道でドローンを飛ばしていますが、このあたりで撮影するなら晴れていないとダメです。景色がメインのところですので、青い海に青い空にがないと全然映えません。

もし今後しまなみ海道を撮りにくるなら、絶対に晴れている日に来ないとダメですよ^ ^

この日は風も意外と強かったです。

まぁ瀬戸内海で吹く風はたかが知れているので、1kgほどあるドローンであればまったく気にする必要はありませんし、実際、今回の撮影でもまったく問題ありませんでした。

ただ海上での飛行は、遠くへ飛ばしすぎると戻ってこれない可能性があるので、風上風下、バッテリー残量に注意が必要です。

撮影に悪影響の電波干渉

今回もっとも致命的だったのが電波干渉です。

船が通過するのは撮影地点から意外と近いようで2km以上の距離があります。さすがにそれだけ離れていると電波は不安定になりやすい。おまけに来島海峡はたくさん船も通りますから、なにかしらの電波が常に飛んでいると思われ、そもそも電波干渉が発生しやすい場所です。

今回の電波干渉の原因は、わたしが操作した場所にも問題ありましたが…笑

電波干渉の警告が常に出て、画面の映像が動かなくなりながら、画面がブラックアウトすることないギリギリのところで操作していました。画面の映像が止まっても、操作する電波はつながっているため操作自体は可能です。スティックを固定したまま、映像をリアルタイムで見ずに操作する場面が多々あり、正直、思ったように撮れませんでした。

完全に電波が途切れてしまうとRTHが発動し、その間は映像が撮れません。しかしそのあいだにも船はどんどん行ってしまうわけで、そのリスクは取れないことから、絶対にRTHが発動しないようギリギリ電波が途切れないようにして撮りました。

毎週さまざまな被写体を撮影していますが、思った絵が撮れなくて後悔することはありません。しかし今回の撮影では、電波干渉のせいで撮りたいカットが撮れなくて若干後悔しています。何度も撮れる被写体ではないので、一発で決めないといけないのですが・・・。

このように天気も悪く電波干渉あり、と条件的によくなかったのですが、それでも400mの世界最大級のコンテナ船を撮れて感無量です。やはりここまで大きいと迫力抜群ですし撮り甲斐があります。単純に操作していて楽しいんですよね。

162mm望遠を使用

望遠使用

今回は望遠(162mm)も使用しました。

すでに何人かの方がこの巨大コンテナ船を撮影しており、普通に広角(24mm)で撮影するだけではおもしろくないと思ったので、あらかじめ望遠の狭い画角で撮る予定でした。

162mmの望遠はピントが甘くなりがちで、案の定、今回もピントが甘かったです。編集で無理やりパキッとさせていますが、それでもピントの甘さは目立ちます。

今回は動く被写体を望遠で撮るということで結構難しかった。ピントをオートにして撮ると、常にピントの調整が行われるため映像的には使えなくなります。当然マニュアルで撮るわけですが、動く被写体で、しかも遠くから近づいてくるわけで、どうしてもピント調整が難しい。

ピントの甘さは目立つものの、それでもこの望遠の圧縮効果が効いた狭い画角の絵は素晴らしい。ドローンは普通24mmと広い画角しかなく、162mmなどの狭い画角はレア。ほかのドローンではなかなか撮れないため差別化できますし、なによりこの強力な圧縮効果です。被写体の背景がグッと迫る絵は望遠ならでは。あとはピント次第で、これが決まれば完璧です。

追い撮りが基本!撮り方が限られる船舶空撮

追い撮り

船の撮影は追い撮りが基本ですが、周囲からしか撮影できず表現が限られます。

依頼されて撮っているわけではないので、船の真上は飛ばせませんし、今回でいえばコンテナを積むところを縦横無尽に飛ばすわけにはいきません。さらに船の前方も危険なので飛ばしませんから、そうなると、斜め前、左右、うしろ側しか撮れず、船のまわりを周回するだけになります。

あとは船の一部分だけを撮る方法もあります。

後方のスクリューや排水しているところ、前方の波が立つところ、船の名前やマーク、操作室など。しかしドローンのカメラは基本広角なので、これらを撮影しようと思ったら急接近する必要があります。繰り返しになりますが、依頼されているなら撮れますが、その辺の船を撮るのに当然ながらそこまで近づけません。

しかしその解決策のひとつとして望遠が使えます。

動く被写体を望遠を使って撮るのは操作やピントなどで難しい面もありますが、遠くからでも一部分を狙えるため、使用することでかなり寄りのカットを撮れます。わたし自身は中望遠を使用したことはありませんが、使用しているのを間近で見たことがあり、中望遠ならわりと操作も難しくなく、ピントも決まりやすく使い勝手がいいと思いました。

中望遠はDJI Mavic 3 ProDJI Air 3に搭載されているものです。個人的には50mmなどの画角がほしいところですが、中望遠70mmもなかなか使えます。

望遠は業務では使う機会がほとんどありませんが、個人の撮影ではかなり使えますので、これから本格的にドローン空撮するなら、この中望遠が搭載されている機体を購入することを強くおすすめします。

使いこなせるようになれば確実に表現の幅が広がります。

まとめ

ONE INGENUITY

来島海峡を通過した巨大コンテナ船「ONE INGENUITY」をドローンで撮影した話でした。

正直、撮りたいカットが撮れなかったのが心残りです。いくら造船所が多いからといって頻繁に撮れるわけでもないので、また機会あったら今度こそはしっかり撮りたいと思います。

今回は久々の巨大な人工物の撮影ということで楽しめました。来島海峡を通過することを事前に教えてくださった空活ちゃんねるさんには感謝です。